消費者金融の過払い金請求で気を付けたいことは?

「過払い金を請求すれば払いすぎた利息が戻ってくる」という話を聞いたことはありませんか?

過去に借金をしたことがある人にとって、もう戻ってこないと思っていたお金を一部でも返還してもらえるのは、大変助かることです。


しかし、そもそも「過払い金」とは何なのか、返還してもらうためには何をしたらよいのかなど、分からない人が多いはずです。

ここでは、過払い金の基本や、請求を行う上での注意点を見ていきます。


そもそも、「過払い金」って何?

過払い金とは

2017年頃まで「過払い金の請求をするなら今!」というCMがネットでもテレビでも頻繁に流れていたため、「過払い金」という言葉を耳にしたことがある人は多いはずです。

ここではまず、過払い金がなぜ生まれたのかなど、基本的な情報を見ていきます。

過払い金とはキャッシングで払いすぎた利息のこと

過払い金とは、消費者金融などの貸金業者からキャッシングした人が「払いすぎていた利息」のことです。

なぜ「利息を多く払い過ぎる」ということが起きたかというと、 “グレーゾーン金利”を適用していた貸金業者が多かったことが原因です。


グレーゾーン金利とは、「出資法」と「利息制限法」で定められた上限金利の間にあった差のことで、法律的には微妙な位置づけでした。

このグレーゾーン金利は、2010年6月に撤廃されました。

下の表はグレーゾーン金利が存在していた頃の出資法、利息制限法の上限金利です。

利息制限法 出資法
上限金利 ・元本が10万円未満…年率~20%
・元本が10万円以上100万円未満…年率~18%
・元本が100万円以上…年率~15%
年率~29.2%
(2010年6月17日まで)
ペナルティ なし 5年以下の懲役または
1,000万円以下の罰金

見て分かるように、利息制限法は出資法よりも上限金利が低く設定されていたものの、「上限金利を超えた貸付」を行っても企業への罰則は特にありませんでした。

そのため、多くの貸金業者はより高い利息を取ることができる「出資法」の上限金利に基づいて融資を行っていたのです。

2006年1月に最高裁判所によってグレーゾーン金利を認めない判決が下され、それまで利息制限法の上限金利を超えて払われていた分の利息(=過払い金)は返還することが決まりました

<関連記事>:グレーゾーン金利って何?

払いすぎた利息の返還を求めるのが「過払い金請求」

上記の最高裁の判決を受け、多くの人が借入先に対して、過払い金の返還請求(=過払い金請求)を行うまでになりました。

なお、2006年12月に貸金業法が改正され、2007年からは消費者金融をはじめとした貸金業者の金利は引き下げられています。


そのため、この時期以降に貸金業者から新規で借り入れを行った人の場合、過払い金請求の対象となるケースはないと考えられます。

ただし、これ以前に消費者金融などから18%を超える利率で借り入れを行っていた人に関しては、過払い金が発生している可能性は十分にあります。

<関連サイト>:過払金返還請求権の消滅時効に関する最高裁判決の概要について(金融庁)

銀行カードローン、クレジットカードでも過払い金は請求できる?

お金を借りる方法として、消費者金融の他に「銀行カードローン」「クレジットカード」などもありますが、これらを利用していた場合も過払い金請求が行えるかどうか、気になるところですよね。

まず、銀行カードローンに関してですが、過払い金請求を行うことはできません


理由は、銀行カードローンはこれまで利息制限法の範囲内での融資しか行っていないため、そもそも「過払い金」が発生していないからです。

一方で、クレジットカードのキャッシング枠からの借り入れは、過払い金が発生していれば請求を行うことが可能です。


ただしクレジットカードの「ショッピング枠」に関しては、過払い金請求を行うことはできません。

ショッピング枠の利用は借金ではなく、「建替」とみなされるためです。

過払い金請求は「借金の利息」に対して行うものなので、キャッシング以外は請求の対象外となります。

<関連記事>:お金を借りるならどっち?消費者金融 vs 銀行カードローン

請求できるのは完済した日から10年以内まで!

過払い金請求を行う上で絶対に押さえておきたいのが、時効です。

過払い金の請求が行えるのは「借金を完済した日から10年以内」と決まっているため、これを過ぎると請求の権利を失ってしまいます

過払い金は黙っていて返還されるものではないため、時効の前に返還請求を行わなくてはいけません。



過払い金を請求することのメリット・デメリットは?

過払い金請求,メリット,デメリット

ここまで過払い金とは何かといった、基本的な情報を見てきました。

ここでは、過払い金を請求することのメリットとデメリットを見ていきます。

メリット1:過払い金が還ってくる(=お金を取り戻せる)

過払い金を請求することの一番のメリットは、「払っていたお金(利息)が戻ること」です。

過払い金は「もともと払う必要のなかった利息」です。

しかし、返済当時は戻ってくると思わずに払ったお金が一部でも戻ってくることは、多くの人にとって嬉しいものではないでしょうか。

メリット2:返還された過払い金は自由に使える

返還された過払い金は使い道に制限があると考える人もいるかもしれませんが、そういったことはありません。

戻ったお金は「完全に自分のもの」なので、自由に使って問題ありません。

手にした過払い金を他の借金の返済にあてることもできるので、場合によっては過払い金で他社の借金もゼロにできるかもしれません。

デメリット:過払い金請求した会社からは借金できなくなる

過払い金請求を行うことによるデメリットは、その会社からはお金を借りられなくなることです。

ただし、過払い金請求を行った会社以外はその後も利用可能なので、デメリットとしては比較的小さなものと言えるかもしれません。

なお、過払い金請求は1社に1回しか行うことができません。



過払い金を回収できないケースは?

過払い金の回収は、基本的なことに注意していればそんなに難しくありません。しかし、中には回収が難しいケースもあります。

ここでは、過払い金を回収できないケースの一例を見ていきます。

時効(=10年)が過ぎてしまった場合

先でも書いたとおり、過払い金は「完済した日から10年」で請求権が消滅します。

これを過ぎると過払い金を取り戻すことは非常に難しくなるため、時効を迎える前に行動することが重要です。

業者が倒産した場合

過払い金請求を行う業者が倒産した場合に関しても、回収できない可能性があります。

経営が厳しいために倒産しているという事情から、過払い金がまったく返還されない可能性もありますし、還ってきても本来戻るはずだった過払い金の1~3%しか戻ってこない、というケースも珍しくありません。

相手がヤミ金の場合

相手がヤミ金などの違法な業者であった場合、過払い金の回収は難しいどころか不可能と考えたほうがよいでしょう。

そもそも、違法業者は最初から法律など守る気もありませんし、何かあっても逃げ出せるよう、客にも嘘の住所・すぐに捨てられる電話番号を教えていることもザラです。


相手の名前や住所を正確に把握していなければ過払い金請求を行うことはできません。

このことから、違法業者が相手の場合、過払い金の回収は不可能と考えられます。


消費者金融の過払い金を請求する時、一緒に知っておきたいポイント

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ここまで、過払い金請求のメリット・デメリットや回収できないケースなどをまとめて見てきました。

最後に、過払い金請求を行う際に知っておきたいポイントを見ていきます。

過払い請求先に借金が残っている場合、過払い金と相殺(そうさい)される

先ほど過払い金の請求でお金が戻ってくると説明しましたが、過払い金の請求先に借金が残っている場合、過払い金はまず返済にあてられます

たとえば、10万円の借り入れがある会社に過払い金請求をして、5万円の返金が認められたとします。

その5万円は手元に帰ってくるのではなく、借り入れしている10万円と相殺され、借入金は5万円となります。


ここからは少し分かりづらいのですが、請求先の関連会社に借り入れがある場合、請求先が保証会社の場合も、同じルールが適用されます


・過払い金の請求先の関連会社に現在も借り入れがある場合
たとえば、すでに借り入れのないA社と、まだ借り入れのあるB社があるとします。A社とB社は、グループ会社であるとします。

この場合、A社に対して過払い金の請求をして認められても、その返済金はB社の借り入れと相殺されることになります。


・過払い金の請求先が、保証会社となっている場合
銀行カードローンでキャッシングする際、銀行が指定する保証会社を利用することになっています。バンクイックなら「アコム」、みずほ銀行カードローンなら「オリエントコーポレーション」が保証会社です。

オリエントコーポレーションへの借り入れが完済していて、オリエント社に対して過払い金請求をするとします。


この時、みずほ銀行カードローンに借り入れが残っていると、オリエント社からの過払い金がみずほ銀行カードローンの借り入れと相殺されることになります。

以上のように、過払い金の請求が認められても、借り入れの状況によっては手元にお金が戻ってこないケースもありえます。


手元にお金が返ってくることを希望する人は、事前に借り入れ状況を確認しておくことをおススメします。

銀行カードローン 保証会社
三菱UFJ銀行
「バンクイック」
アコム
三井住友銀行カードローン SMBCコンシューマーファイナンス
(旧プロミス)
みずほ銀行カードローン オリエントコーポレーション
りそな銀行カードローン オリックス・クレジット

過払い金請求は弁護士に任せた方が安心

過払い金請求を行う人の中には、自分ひとりで消費者金融にかけあって手続きを進める人もいなくはありません。

しかし、過払い金請求には複雑な条件が絡んでいたり、法の知識がなければ自力で作成することが難しい書類がいくつもあったりと、自分ひとりで進めていくのは、非常に大変です。


多少の費用はかかったとしても、過払い金請求に関する知識も経験も豊富な弁護士(司法書士)に任せて手続きを進めたほうが安心です。

過去の借入・返済の詳細がわかる明細があれば準備しておく

弁護士(司法書士)に過払い金請求の相談をする際は、過去の借入・返済の明細があれば持参するように言われます。

手元にあれば持ち出せるように準備をしておきましょう。そうすることで、相談がスムーズに進みます。

ただし、過去の明細が残っていないという場合でも心配はいりません。

依頼をすれば、法の専門家があなたに代わって過去の借入状況の調査を行ってくれます。

時効前に行動するのが重要!

繰り返しますが、過払い金の請求には時効(完済日から10年)があります。

2017年時点で、ほとんどの過払い金は時効を迎えたと考えられますが、すべての人の請求権が消滅した訳ではありません。

利用状況によっては、まだ過払い金の請求権が生きている可能性もあるので、心当たりがある場合は、急いで弁護士に相談することをオススメします。



以上、消費者金融の過払い金請求で気をつけたいことを見てきました。


完済した日から10年で時効がくることは重要なので覚えておく必要がありますが、その他の細かなことに関しては、弁護士からアドバイスをもらいながら進めることができるので、全部覚えきれなくても心配する必要はありません

この記事のまとめ

  • 過払い金請求とは、グレーゾーン金利が原因で発生した「払いすぎの利息」の返還請求
  • 過払い金の請求権は完済日から10年で時効を迎える
  • 過払い金請求の対象は消費者金融と、クレジットカードのキャッシング(銀行カードローンは不可)
  • 過払い金請求を行った会社からは、以後お金を借りられなくなる
  • 借り入れのある会社に過払い金請求を行った場合、返済金は借り入れと相殺される

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初めまして。このサイトの管理人で、「もぐお」と言います。元銀行員で、このサイトの執筆・監修を行っています。

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