「アドオン金利(add-on loan)」はクレジットカードで商品を購入する際によく用いられる金利計算方法のひとつです。add-on(アドオン)は日本語で追加するとか付け加えるといった意味になります。
このアドオン金利は、いったいどのような方式の金利なのでしょうか。以下で、詳しく説明します。
アドオン金利はどんな金利?
アドオン金利方式は自動車や家電製品を購入し、分割でクレカ払いするときなどに多く見られる方式です。その返済方法は、購入した商品に対して金利(アドオン利率)を毎回均等に支払っていくというものです。
アドオン金利の特徴
アドオン金利の特徴は、返済が終わるまで最初に借入した金額を元本とし、利息を計算して返済していきます。
例えば、10万円の商品を金利10%の10回払いで返済する場合、金利は毎回1000円ずつ支払うというようになります。この金利に商品代金の10万円を10回の分割払い(毎回1万円)の金額を加えたものを毎回返済していきます。
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アドオン金利の計算式
上記のケースの返済額を計算式で表わすと次のようになります。
商品10万円×利率10%÷10回払い=利息1000円/回
元金(10万円÷10回払い)+利息1000円=返済額1万1000円/回
元金10万円+利息1万円=総返済額11万円
この計算式を見ると「とても分かりやすい」と感じた人もいるかもしれません。しかし、アドオン金利には消費者金融などで目にする実質年率とは大きな違いがあります。
実質年率とは
実質年率とは、返済する時に支払う利息だけでなく、手数料など含めた費用の合計の金利のことをいいます。銀行や消費者金融の借入では「実質年率○○%」というように表示されています。
実質年率の返済例
上記のアドオン金利の返済例を元に、実質年率の返済例を見てみましょう。
10万円の借入で、実質年率10%・11回払いで返済した場合
借入残高×実質金利÷365日×日数=利息
というように計算します。
アドオン金利と実質年率の違いは?
実質年率は借入残高によって毎回の返済額が変わってくるので、少し計算式が複雑になっています。その一方で、アドオン金利は返済金額と金利を一定にして計算するので、簡単な計算式になっています。
2つの金利の計算方法は、次のようになります。
・アドオン金利
借入元金×アドオン金利=金利総額
・実質年率
借入残高×金利÷365日×日数=金利総額
アドオン金利だと金利が高くなるケースが多い
先ほども書いたように通常の返済ですと、返済が進むにつれて借入金の元金が減り、それに伴って支払う利息も減っていきます。
しかし、アドオン金利の場合は元金が減っても、返済する利息は変わりません。上でアドオン金利と実質年率の返済例を見てみると、借入が同じ10万円でも利息の合計がアドオン金利の方が5000円近く高い事が分かります。
このように、アドオン金利は低金利に見えますが、実際は実質年率よりも金利が高くなるケースが多いのです。
以前までは、アドオン金利は消費者金融でも使用されていました。ですが、現在ではアドオン金利を表示することは法律で禁止され、実質年率の表示が義務付けられています。
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以上で、アドオン金利について紹介してきました。
アドオン金利は、支払う金利が毎回一定で計算方法も簡単なので、自分の負担がどの位なのかが分かりやすいです。
しかし、借入元金を返済しても金利が変わらないので、実質年率に較べると金利が高くなってしまうデメリットもあります。ですので、しっかり仕組みを知ってから利用するようにしてください。
- アドオン金利とは、クレカで商品を購入する際に使われる金利計算方法の一つ
- アドオン金利は、購入した商品の金利を毎回均等に支払っていく返済方法
- 実質年率とは、利息以外にもかかる費用を含めた金利のこと
- 返済するにしたがって利息が減る実質年率に対し、アドオン金利は返済しても利息は変わらない
- 返済しても利息が減らずに変わらないので、アドオン金利の方が金利が高くなる