わかる!借金生物図鑑




さて、一口に「借金」といってもその種類は実に様々、社会には実に多様な借金を抱えた生命が生きています。

その中には幸福なものもいれば、もちろんそうではないものもいます。


皆さんが「借金」と聞いてイメージするのはどんなものでしょうか

本日は借金というものの多様性について、図鑑形式で皆さんにお伝えしたいと思います

めくるめく借金生物の生態系をどうぞご覧ください。



1.基本にして王道、多重債務生物

皆さんが「借金」と聞いて一番最初に思い浮かべるのはこのタイプでしょう。




「多重債務」というのは借り入れ先が複数に渡っているという意味ですが、このタイプは「借りられるところからは全部限界まで引っ張っている」という状態を完成形とします。


例えば、消費者金融A社から50万円、B社から40万円、C社から60万円、それに友人Aから50万円、Bから10万、カードローンAから30万円、Bから50万円…。

一つ一つの借り入れ金額は大きくないですが、それらが積み重なり、もはや本人にも借金の総額が見えなくなっていることが多い・・。



というかこのタイプの方で、自分の借金が幾らなのか、利率が幾らなのか把握しているのはむしろレアケースと言えます。


現在は、キャッシングの総量規制で個人が借り入れできるのは年収の三分の一までというルールになっていますが、実際のところ抜け穴は多数あります。

たとえば、クレジットカードショッピング枠なんかはこの対象外。


「クレジットカードの現金化」という言葉を、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そう、ショッピング枠で買い物をしてそれを現金に換える。そんな手法も存在するわけですね。

そしてもちろん個人からの借り入れも、この規制の対象外です。


さて、そんなこんなで年収400万円の方の借り入れが200万円まで膨らんでしまったとしましょう。

年収400万ということは、諸々さっぴいて月々の手取りはざっくり26万円に届かないくらい。


金利はわかりやすく15%くらいで計算してみると、毎月の返済額は約7万円

さて、これを問題なく返済できる人が、200万円までも借金を膨らますでしょうか?



皆さんが「怖い」と感じる借金というのは、おおよそこのようなものではないでしょうか。

実は、このタイプの借金地獄に陥る方は、ざっくり二つのタイプに分けられます。


多重債務生物タイプⅠ 依存症




ヨハン・ホイジンガはホモ・ルーデンス、即ち「遊ぶ人」という概念で人間を捉えました。

遊びは文化に先行していて、人類の文化はみんな遊びの中から生まれた。


なんとなく心楽しくなる説ですね。

ところで、僕はこれについて自分なりの意見をもっておりまして、人類とは依存する生物だと思います。



依存と聞くと自分とは関係のないもの、手がプルプルするアル中とかそういうものだろ?と感じられる人も多いと思うのですが、さにあらず。

人間が依存する対象は実に多岐にわたっています。


お酒などの薬物が筆頭に挙げられますが、他にはギャンブル依存、買い物依存、性依存、対人依存、社交依存・・・。





最近だと、ソーシャルゲームなんかもかなり依存性が高いと言えます。

いわゆるガチャ、あれはなかなか射幸心が煽られる娯楽なんでしょうね。

パチンコのシェアを奪っているとよく聞きます。


そんなわけで、借金地獄に陥る人のうちそれなりの割合が「依存症」を原因としていると僕は感じています。

一番わかりやすい例はギャンブル依存症でしょう。


日本に存在するギャンブルは、基本的には勝てません。

控除率、テラ銭、要するに運営者の取り分が非常に大きいからです。

ギャンブル依存症の方はこんなことは先刻ご存知ですよね。





これは僕自身も正直言って、理解できるところがあります。未だに禁煙にすら成功しておりません。


アルコール依存で入院したこともありました。

しかし、給料日に10万円スッてしまう人の生活がどうなっていくか、毎月収入に見合わないブランド品を15万円買わずにいられない人の未来がどうなっていくか、想像に難くないと思います。


その通りです、どうにもならないのです。


アルコール依存症の治療は、自らがアルコールに対して無力であると認めるところから始まると言われています。

こういった状況に陥ってしまった皆さんは、然るべき医療機関を訪ね治療を受けるのが、現在では最良だと思います。


とはいえ、アルコール依存症と同じく否認の病ですので、簡単なことではありませんが…。

借金の原因が依存症にある皆さんは、まさに「疾患」です。

これがどういうことかというと、あなたが善意で貸す3万円は友人の病状を重くします。




というお話ですね。

最近はこういった多様な依存症に対応してくれる医療機関も増えてきましたので、もし可能であればそういった機関につないであげるのが最良の手立てになります。

決して、あなたの貸したお金はその方を救いません。


また、現在この状態にあると自覚のある皆さんは、ちょっと調べるとすぐに自助グループや治療を請け負ってくれる医院が見つかると思います。

予約を取るのは大変かもしれませんが、大至急そういった専門的措置を受けることが一番の解決策になるでしょう。


多重債務生物そのⅡ マネーリテラシー皆無



出来る人にとって、それは当たり前でしょう。

月々の支出は大体これくらいで、自由に使えるお金はこれくらい。


最終的に貯金としてこれくらい残る。

そういった生活資金の青写真が頭にあり、実行できる人というのは素晴らしい能力を持っています。


何故か「これくらいできて当たり前」という空気のあるマネーリテラシー能力ですが、実際のところをいうとこれができない人は非常に多いのです。


家賃を払い、通信費を払い、光熱費や雑費、それに税金、そこに遊興費や交際費を加えると気づいたら全くお金が残っていない。

実は、そういう人は非常に多いのです。


一定の金額で毎月の生活を維持する。

これは「能力」です。


それも、努力と経験によって身につく能力だといえます。

当たり前のように身についている人は、おそらく教育や生活環境のたまものでしょう。






「今自分が使っても大丈夫なお金は幾らか」を今すぐ頭の中ではじき出せますか?

今の銀行口座の預金額や今後の支出予定を鑑みて、どれくらいまであなたはお金を使って大丈夫でしょうか。

これが瞬時に出てこない人は、かなり危ないと言って差し支えありません。


こういったマネーリテラシーの欠如は、当然ながら給料日近くになると、常にお金が足りないという事態をもたらします。

また、慶弔費や人付き合いなど突発的な支出というのも少なくありません。

スーツの買い替えなど、社会人として最低限必要な出費というものもあります。


その度に消費者金融やカードローンで借入れをしていたらどうなるか。

言うまでもありませんね。



こういったタイプの方は僕の周囲にもたくさんいて、最終的に僕のお金をポケットに入れてドロンした人も何人かいました。



彼らに共通するのは「生活を数字に置き換えられない」ということでした。

給料日に5万円をATMから降ろせば「いっぱいある」。

月末になると、「全然ない」。こういう解像度でしかお金を捉えられていないのです。


当然ですが、支出は非常にルーズでスマートフォンの契約は無駄に高いものになっていますし、電気代も滞納しているのに妙に良い靴や服を持っていたりします。

そういったすべてがアンバランスな人、皆さんも見たことがありますよね。


このような場合、とにかく生活を数字に置き換えることが最良の処方箋になります。

家賃が幾らで、通信費が幾らで、月々の返済が幾らで…直視したくない結果が出てくると思いますが、それを見据えて生活を再構築しないことには永遠に借金が増え続けます。




もちろん、このタイプの方にお金を貸してはいけません。

本人のためにも決してなりません。

一瞬のその場凌ぎは、究極的には破滅へのスピードを上げるだけです。



2.決してリスクは低くない、住宅ローンカタツムリ

僕は賃貸派ですが、将来の夢は一軒家という気持ちはちょっとだけ分かります。

零細企業の経営者となった僕に、住宅ローンを組んでくれる銀行はあまりないので、ちょっと遠い夢ですが。




良い会社にお勤めの方ですと、かなり良い金利で自宅を手に入れることも、タイミング次第では可能になります。


それは、まるでカラを背負うようなものです。

もちろん、「持ち家を所有している」という社会的信用はつくでしょう。


それはとても素敵なことだと思います。

そして、「自分の家」という感慨は何者にも替えがたいものだということを、ライター業の傍ら不動産屋の営業マンでもある僕は知っています。

素晴らしいことだと思います。


しかし、住宅ローンのリスクが低いかといえば「それほど低くはないだろう」と僕は感じています。

というのも、人間というのは時に身体を壊し、働けなくなることがあるからです。


また、経済情勢次第では、収入が大きく低下するというのもあり得ないことではない。

住宅ローンとは、サラリーマンという特権的な(我々事業主から見ると、サラリーマンとはまさに特権階級なのです)与信は、絶対に失われないと保証されるものではありません。



もちろん、いざという時に住宅相場や土地相場が上がっていて、買った値段よりも高く売れたなんてことになれば、ハッピーなケースです。

しかし、もちろんその逆ということもあるのです。

大いにあるのです。家はなくなる、ローンは残る。




そういうこともあるのです。



最近、ラッパーが一軒家を買った喜びをリリックにしていましたが、とても心温まるものでした。

一軒家が欲しいというその気持ち、そしてサラリーマンとしての日々の苦労に耐えて手にした社会的信用は本当に素晴らしいものだと思います。


しかし、そこにはもちろんリスクもある。

それだけは忘れないでいてほしいと思います。

是非、リフォーム代やいざという時の対応策を考えて、ハッピーなホームを手に入れてください。




リスク上等、会社の債務を連帯保証する経営者



会社法人として借金をしようとしても、実際のところを言うと社長の連帯保証はほぼ必須。

会社が倒れたら社長も破産。


そういうリスクを背負って前に出るのが経営者です。

ちなみに僕は、出資者の温情により破産だけは免れましたが、現在は数千万の借金を抱えております。


ちなみにこの借金、「返せ」と言われません。

というのも、そんな額を「即時返せ」と言われても、僕としては「すいません、破産します」としか答えようがないからです。


これは本当に不思議な話で、借金というのは「絶対に返せない額」になると世界観が変わり、「返せ」と言われなくなり、借金取りがむしろ僕の最大の協力者、もっとも信頼出来る仲間に変わっていくという不思議な現象が起きます。



そんなわけで、僕は債権者氏に感謝しながら日々を生き、そのうち一発当てて返します!と叫び続けているわけですが、これはあくまで幸運なケースです。


会社の倒産がそのまま、資産から社会的信用まで全ての喪失に直結するのも、非常によくあることと言えるでしょう。

起業を考えている皆さん、是非この辺りについてはよくよく検討することを勧めます。




ちなみに、かのソフトバンクグループの有利子負債はなんと15兆円。

これくらいになると、もし返済不能になればソフトバンクが倒産するだけでなく、貸し付けていた側も関連各社もそれはもう大変なことになってしまいます。


だから、孫正義さんは「借金王」と自嘲しながらもあれだけの経営手腕を振るうことができるわけですね。

流石は借金王、借金玉とはスケールが違います。


ここまでくると「借金とは何か?」という哲学的なお話になってきてしまいますね。

僕にもわかりません。

でも、もしかしたら僕と債務者の間のあたたかな絆、連帯の証と言えるのかもしれない。

たまにそんな気がします。




さて、とりあえず借金生物についていろいろ紹介してみました。

借金にも色々ある、ということがわかってきたと思います。本当に色々あります。


借金とは何か、と問われると最近僕は「愛」と答えています。

ほら、愛って色々あるじゃないですか。ハグから刃物まで。


生き残るために、これらの借金の「違い」を理解して立ち回ることが何より重要だ、と借金玉であるところの僕は強く感じています。


「借金は怖い」といって全く借金をしない、というのもあまり賢いこととは言えません。

返済が可能であり、それがあなたの未来にとって必要なら借りるべきだと思います。


例えば、奨学金なんかがその一例でしょう。

僕は以前ガツンとお金が入った時に、まとめて返済してしまいましたが、あれがなければ今の僕はなかったと思います。


しかし、奨学金も返済不能に陥り、裁判所に呼び出されている皆さんをよく見かけます。

借金とは時に未来を生み出すものになり、あるいは時にあなたの未来を闇の中に閉ざすものになります。


既に借金のある方は貴方の借金がどのようなものか、この中のどれに当てはまるか。

借金が無い方は、自分の借金がどういうものであるべきか、是非とも考えてみてください。





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借金玉

この記事の執筆者: 借金玉

原案担当。作家。過去に起業で失敗して、莫大な借金を背負った過去を持つ。運営ブログ:発達障害就労日誌



ハルオサン

この記事の執筆者: ハルオサン

作画担当。イラストレーター、ブロガー。「警察官クビになってからブログ」で一躍有名に。