【元銀行員が解説】生活保護でもキャッシングで借入できる?

生活保護を受けている人は、もともとお金に余裕がありません。

そのため予想外の出費があると、お金が工面できず非常に困った状況に陥りがちです。


そんな時、急いでお金を借りる方法として「キャッシングの利用」を考えたことはありませんか?

でも生活保護受給者がカードローンに申し込んで、キャッシングするのは可能なのでしょうか?


生活保護中でも、キャッシングは可能なの?

結論から言えば、生活保護を受けている期間中にキャッシングすることはできません

ここでは生活保護受給者が、借入できない理由を見ていきます。

生活保護者が借入すると、保護費を減額される

生活保護者に何らかの「収入」があると、その分だけ生活保護費が減らされるのは、ご存じかと思います。


ここで言う「収入」とは、勤労所得だけではありません。

年金支給、仕送り、贈与、借金も「収入」に含まれます。

<外部の関連サイト>:第8 収入の認定 | 生活保護法による保護の実施要領について


より厳密に言えば、上記の「収入認定」に借金についての記述はありません。

ですが生活保護の現場では、借金も収入と見なす考え方が一般的です。


もしあなたが5万円でも借金したら、その分だけ生活保護費を削られることになります。

これでは何のために借金するのか、分からなくなります。

<関連記事>:生活保護者にお金を貸すのってどうなの?

もっと言うと、どこまでを収入認定にするかは、自治体で判断が分かれる場合もあります。気になる方は、お住まいの市のケースワーカーに確認して下さい

生活保護者には「安定収入」がないため、審査に通らない

上でも書いた通り、生活保護者が借金をすること自体は違法ではありません。

ですが生活保護者がカードローンの申し込みをしても、審査に通ることは、まずないでしょう。


というのも生活保護受給者には、「安定収入」がないためです。

生活保護者からすれば、毎月の生活保護費が安定収入と思えるかもしれません。


ですがカードローン会社は、生活保護費を安定収入とは見なしません。

このため生活保護者が、キャッシングの審査に通ることはありません。

<関連記事>:【絶対チェック!】消費者金融の審査基準について

生活保護が必要なくなれば、カードローンを利用できるかも

もし生活保護費の受給をやめることができ、さらに安定収入を得ていれば、カードローンの利用ができる可能性はあります。


ご存じの通り、生活保護費の支給は他に収入がある場合、収入分だけ削減されます。

勤労による収入が一定額を上回れば、生活保護費はゼロになります。


勤労による安定収入が半年以上続き、かつ生活保護費がその間ゼロなら、カードローン審査を受けることはできます。

もちろん誰でも、このように働ける訳ではありません。


ですが最近では、「クラウドソーシング」といって自宅にいながら、仕事をすることも可能になりました。

もし可能ならば社会復帰の意味合いで、こうしたお仕事をお試しで始めるのもアリかもしれませんね。

<関連記事>:【元銀行員が教える!】お金がない時の乗り切り方は?

うつ病で7年間仕事ができなかった友人も、現在はウェブライターとして自宅で仕事をして、月30万円稼いでいます

「生活保護でも貸します」という誘いには乗らないこと

生活保護を受給している方でも、日常生活を営んでいれば、急にお金が必要になる場面も出てくるでしょう。

「生活保護費の範囲内で生活しろ」と言われても、それができない場合もあるのが、人間の弱いところです。


とはいえ、そんな時に、「生活保護を受けている人にも融資します」と提示してくる会社を見かけても、絶対に利用してはいけません。

生活保護者にとっては不愉快な話とは思いますが、正規の貸金業者であれば、「生活保護受給者」にお金を貸すことはありません。


そのような状況でもお金を貸す業者といえば、「ヤミ金」しかありません。

ヤミ金は違法に営業し、法外に高い利息を要求する業者です。


その取立ては暴力を伴い、どこかに拉致(ラチ)されることもあり得ます。

非常に危険なので、どんなにお金に困っていても、ヤミ金の利用だけは絶対に避けなくてはいけません。

<関連記事>:ヤミ金でお金を借りるリスクとは?体験談を紹介します



生活保護者が嘘をついてカードローンを利用すると、どうなる?

カードローン審査では、勤務先への在籍確認は必須になります。

仕事をしてない生活保護の方は、まずカードローン審査に通ることはありません。


ですがアリバイ会社など使ったり、他人名義で申し込むなどして(つまりカードローン会社を騙して)、審査に通ってしまうこともあり得ます。

ここでは、「嘘をついてカードローンを利用した場合、どうなるのか」を見ていきます。

1.カードローン会社から訴えられる可能性がある

ウソの情報を使ってカードローンに申し込んだことがバレた場合、カードローンを「強制解約」されます。

そのうえで、現時点で借りているお金の一括返済を求められます。

<関連記事>:【元銀行員が解説】名義貸しとは?ローン関係は絶対NG!


強制解約は「金融事故」にあたるため、信用情報機関に登録され、5年間は新規の借入が一切不可になります。

さらに嘘の内容が悪質であると判断された場合、カードローン会社から「詐欺」として訴えられる可能性があります。


裁判で負けた場合、多額の賠償金の支払い義務が生じるケースがあります。

嘘の情報を使った申し込みは、絶対にしないでください。

<関連記事>:期限の利益の喪失とは?元銀行員が分かりやすく解説!

知り合いの名義を借りたら、貸した人がカードローン会社に詐欺をしたことになります。

2.借金がバレると生活保護費が減る

いわゆる「ブラックリストに載る」ことは、生活保護者にとって、それほど痛手ではないかもしれません。

そもそも、お金を借りることができないからです。

ですが生活保護費を減らされたら、話は違うはずです。


先ほど説明した通り、借入は収入と見なされます。

市役所にキャッシングの利用がバレた場合、その分だけ生活保護費を減らされ、場合によっては支給を止められます。


さらに、「カードローンの審査を通過したという事実」から、実はそれなりの収入があり、生活保護の受給は不要だったのではないか、と疑いを持たれます。

この場合、「生活保護費を不正に受給していなかったか」お金の流れを、市役所に調査される可能性があります。

3.不正受給とみなされれば罰金の支払い義務が生じる

上の調査の結果、「生活保護費を不正に受給していた」とみなされた場合、これまでに受け取った生活保護費をすべて返還することを求められます。

この時、単純にこれまで受給した生活保護費を、全額返せば済むという訳ではありません。

「受け取った金額の合計×最大で~1.4倍までの罰金」の支払い義務が生じます(生活保護法第78条)。

第七十八条
 不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。



キャッシングをした結果、生活保護費の不正受給と見なされる可能性は高くありません。

とはいえ万一、そうした事態になったら大きな痛手です。


繰り返しになりますが、嘘をついてカードローンを利用することは絶対にやめるべきです。

<関連記事>:カードローン審査で嘘をつくのは危険?

上で書いたのは最悪のケースですが、ウソを付いてカードローンを利用すると、こうした事態もありえます。



生活保護者がお金に困ったら、どうすればいい?

生活保護を受給している間は、カードローンなど利用できないことが分かりました。

とはいえ、どうしてもお金が必要な画面もあるかもしれません。


ここでは生活保護受給者が、お金を借りるための方法について見ていきます。

家にある不用品を、フリマアプリで売却をする

自宅にあるもので使わなくなった品を、フリマアプリで売却することオススメします。

最近では質屋に売るよりも、高値で売却できるケースが増えてきました。


フリマアプリは数多くありますが、やはり大手のメルカリが使い勝手なども良いようです。

こちらを活用することで、多少のお金を用意できるかもしれません。


ちなみに最近、メルカリで売却したお金を出金せずに、そのままプールさせる方が増えています。

なぜこうした方法を取るかと言うと、売却代金をメルカリから出金させると「収入」と見なされ、生活保護費を削られる恐れがあるためです。


そのため売却代金をメルカリ内でプールさせておき、その代金で別の物をメルカリ内で購入する方がいます。

ですが、こうした方法は厳密には違法行為にあたるため、当サイトではオススメしておりません。

将来的には、メルカリのアカウント情報を市のケースワーカーが確認する、なんて法律ができるかもしれません

親戚・知り合いから借りる

生活保護を受けている方なら、親戚や知り合いからお金を借りるのがよいでしょう。

身近な人からお金を借りるのは、「審査」がないのが最大のメリットと言えます。


生活保護を受けている期間中は、臨時収入が入った場合、ケースワーカーへ申告が必要になります。

身近な人からお金を借りたり、もらった場合も同じで、「収入」としてケースワーカーに申告する必要があります。


ですが親戚・知り合いなら、お願いすれば借入の話を内緒にしてもらえるでしょう。

あまり褒められた方法でないかもしれませんが、一時しのぎの方法としては、悪くないでしょう。


もちろん借用書を作成するなどして、借りたお金はキチンと返済して下さい。

<関連記事>:借用書の書き方を元銀行員が解説!法的に有効な(無効にならない)ためには?

年金受給者であれば、年金を担保に融資を受ける

生活保護を受けている方の中には、65歳になって、「年金」を受給するようになった方もいるでしょう。

生活保護を受けている最中には利用できませんが、年金を受け取っていれば、「年金担保貸付制度」という融資制度の利用が可能です。


年金担保貸付制度とは、国民年金などの公的年金を受給している人が自身の“年金を受け取る権利”を担保にして利用できる融資制度です。

対象者は「すでに年金の受給がスタートしている人」で、カードローンよりも低い金利でお金が借りられるメリットがあります。


一般的なカードローンの金利が上限金利18%であるのに対し、年金担保貸付制度の金利は、約1.76%~2.1%です。

<関連記事>:年金を担保にお金を借りる!年金担保貸付制度とは?


ただし生活保護を受けるほど生活の苦しい方で、担保にできるほどの年金をお持ちの人はごく少数でしょう。

そういう意味では、あまり使い勝手のよい方法とは言えません。

居住不動産を担保に融資を受ける

何らかの事情で、居住用の不動産をお持ちの高齢者世帯でしたら、不動産を担保に融資を受けることができます。

要保護世帯向け不動産担保型生活資金」と呼ばれる融資制度です。


土地及び建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)の範囲内で、融資を受けることが可能です。

とはいえ生活保護世帯で、そもそも居住用不動産をお持ちの方は、極めて少数のはずで、こちらも使い勝手がよい制度とは言えません。

<外部の関連サイト>:生活福祉資金貸付条件等一覧 | 厚生労働省

上で挙げた2つの方法は国の支援制度なので、借入であっても収入とは見なされず、生活保護費も減額されません

「生活困窮者自立支援制度」を活用する

上で見てきた通り、生活保護者が国の制度を利用して融資を受けるのは、極めてハードルが高いです。

そもそも生活保護者は、支給される生活保護費で生活することが前提とされています。

それなのに追加で融資を受けるのは、生活保護制度の本来の建前に反するからです。


では上の2制度が使えない場合は、どうすれば良いでしょうか。

この場合は市の福祉課に相談することをおススメします。


国は「生活困窮者自立支援制度」という制度を用意しており、市の福祉課を窓口にして、国や都道府県が用意した支援制度を紹介してもらえます。

場合によっては別の融資制度を受けられるかもしれませんし、お金以外の方で解決してもらえるかもしれません。


確実にお金を借りられる方法ではありませんが、困っているなら一度は市役所に相談することをおススメします。

<外部の関連サイト>:生活困窮者自立支援制度への対応|全国社会福祉協議会


以上、生活保護受給者がキャッシングを利用できない理由や、お金が必要な場合の対処法について見てきました。

生活保護を受けている間は、特殊なケースを除いて、家族や親戚などからお金を借りる以外の方法はありません。


働くことを再開できる方なら、一定期間の後にカードローンの申し込みもできるかもしれません。

ですが、こうした方は少数派でしょう。


どうしても生活が苦しい方は、まずは市の福祉課に相談することをおススメします。

この記事のまとめ

  • 生活保護受給者がカードローンの審査に通ることは、まずない
  • 生活保護者が万一キャッシングしても、その分だけ生活保護費の支給が減らされる
  • 生活保護者が嘘を付いてカードローンを利用するのは、リスクしかない
  • 「生活保護でも貸します」という業者は、ヤミ金。絶対に利用してはいけない
  • 「どうしても生活に困っている方は、市の福祉課に相談するべき

もぐお

この記事の執筆者: もぐお

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