お金がないけど病院に行きたい!治療を受ける方法は?

老若男女問わず、誰しも病気やケガで病院を利用します。

ですがお金がなければ、病院で治療は受けられないと考える人もいるでしょう。


実はお金がなくても、病院で治療を受けることはできます。

今回は、お金がなくても病院で治療を受ける方法や、医療費を節約する方法について詳しく解説します。


お金がないけど病院に行きたい!利用できる公的制度は?

そもそも、お金がなくても受診できるの?

医師法第19条「応召義務」の規定により、医師は「正当な事由」がない限り、診察治療の要求を拒んではならないと定められています。

この「正当な事由」の中に、「お金が払えないこと」は含まれません。


したがってお金がないことを理由に、医師が患者の診察を断るのは法的に不可です。

お金がなくて治療費が払えないなど、医療費の支払いについては病院に相談することも可能です。


大きな病院では、ソーシャルワーカーが相談に応じてくれる所もあります。

またお金がない人でも病院で医療が受けられるよう、お金がない人が利用できる公的な制度があります。


次からは、その制度について詳しく見て行きます。

医師法第19条
診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
2 診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない


無料低額診療

「無料低額診療」とは、低所得者やホームレスなどの生計困難者に対して、無料または低額料金で診察・治療を行うことです。

厚生労働省が定める生計困難者は、以下の通りです。


・生活保護受給者
・低所得者(低所得者の基準は自治体によって異なる)
・ホームレス
・DV被害者
・人身取引の被害者 など


無料低額診療の受診料については、対象者の経済状況によって異なります。

正確な金額を確認する場合は、地域の福祉事務所に相談して下さい。


なお無料低額診療を受ける際には、「所得証明書」が必要です。

所得証明書と認められる書類は、以下の通りです。


・源泉徴収票
・直近3ヶ月の給与明細
・課税証明書
・確定申告書
・年金証書
・預金通帳


受診する医療機関によっては、必要書類が異なる場合があります。

なお急病で所得証明書が用意できなくても、診察や治療は受けられます。

<外部の関連サイト>:無料低額診療事業 制度の説明|全日本民医連

無料低額診療は、永続的に利用できる制度ではありません。生活保護を受けるまでの期間や、一時的に経済状況が悪化した時に利用できる制度です

一部負担金減免制度

「一部負担金減免制度」とは、災害で住居が損害を受けた人や、農業や漁業の従事者で干ばつや冷害による経済的損失を受けた人などが利用できる制度です。


この制度では、自身が負担する医療費を猶予(支払期限を最大で半年延長)、減額または免除できます。

一部負担金免除制度に申請するには、以下の書類が必要です。


・収入が証明できる書類
・国民健康保険一部負担金減免等申請書
・医師の意見書


厚生労働省によると、減免事由として具体的な事由を設けず、個々の相談に応じている市町村も多いです。

<外部の関連サイト>:一部負担金減免の調査結果について|厚生労働省 

高額医療制度

医療費が高額でお金が払えないと困っている方には、高額医療制度の利用がオススメです。

高額医療制度には、「高額療養費制度」と「高額医療費貸付制度」の2つがあります。


それぞれ詳しく説明します。


<高額療養費制度>
高額療養費制度とは、毎月の高額な医療費の自己負担額を減らす制度です。

この制度が適用されると、その月(1日から月末まで)の自己負担額が高額になった場合、自己負担限度額を超えた金額が払い戻されます。


以下は70歳未満の人を対象にした、自己負担限度額を月収別に区分した表です。

所得区分 自己負担限度額 多数該当
月収81万円以上
(標準報酬月額83万円以上)
252,600円+(総医療費‐842,000円)×1% 140,100円
月収51万5千円以上81万円未満
(標準報酬月額53万円~79万円)
167,400円+(総医療費‐558,000円)×1% 93,000円
月収27万円以上51万5千円未満
(標準報酬月額28万円~50万円)
80,100円+(総医療費‐267,000円)×1% 44,400円
月収27万円未満
(標準報酬月額26万円以下)
57,600円 44,400円
低所得者
(被保険者が市区町村税の非課税者等)
35,400円 24,600円

<外部の関連サイト>:高額な医療費を支払ったとき|全国健康保険協会

ただし払い戻しまでには申請から最低でも1ヶ月はかかるため、窓口で医療費を支払う際は、自己負担額を全額支払わなければなりません。


そこで高額な医療費がかかると事前に分かっている場合(入院や手術など)は、前もって「限度額適用認定証」を発行しておくことをオススメします。


限度額適用認定証は、自分の限度額の適用区分が記載されている書類です。

この限度額適用認定証があれば、窓口で自己負担限度額を超える分の差額を払わなくて済みます。


<高額医療費貸付制度>
医療費が高額で自己負担限度額を超える場合、高額医療費貸付制度を利用してお金を借りることができます。


この制度を利用すれば、高額療養費支給予定額(=自己負担額を超える金額)の8割~9割を無利子で借りられます。


なお高額医療費貸付制度を利用できるのは、限度額適用認定証を持っておらず、窓口で高額な医療費を支払った場合です。


また貸付金は銀行の預金口座に振り込まれますが、申請から振込まで1週間~3週間程度かかるので注意して下さい。

<外部の関連サイト>:高額医療貸付制度について|全国健康保険協会 大阪支部
 

高額医療制度は、無料低額診療を受けた人でも利用できます

軽減制度

そもそも健康保険料の支払い自体が厳しい、という方もいるでしょう。

そういった方には、保険料の「軽減制度」の利用がオススメです。


この制度が適用されれば、保険料の2割~7割が軽減されます。

どの程度軽減されるかは、自身の所得がどの所得基準に該当するかによります。


また自治体によって制度の内容が異なる場合があるので、利用にあたっては自治体の相談窓口で相談して下さい。

<外部の関連サイト>:保険料均等割額の軽減制度・保険料の減免制度について|足立区
 

傷病手当金制度・医療費控除

<傷病手当金制度>
「傷病手当金制度」とは、病気やケガで仕事に行けず給料が貰えなくなった場合に、手当が支給される制度です。

手当金が支給される期間は、会社を休み始めて4日目から、最長1年6か月目までです。


「標準報酬日額」(=毎年4月から6月までの3か月間の給与の平均額を、30日で割ったもの)の2/3に相当する額が、1日の支給額となります。


<医療費控除>
「医療費控除」とは、確定申告することで、支払った医療費が所得税額から控除される制度です。

世帯全員を合わせた医療費が年間(=1月1日から12月31日まで)で10万円以上となる場合、年収300万円以下の世帯なら所得の5%以上となる場合、医療費控除を申告できます。


医療費が控除されると所得税が下がるので、その分払い過ぎた所得税が返って来ます。

<外部の関連サイト>:医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁
 

確定申告には領収書が絶対に必要です。同一生計の家族の分も含め、必ず保管しておきましょう

生活保護制度(医療扶助)

経済的余裕がなく、医療費や保険料を払えない場合は、生活保護制度の利用を検討してみて下さい。

生活保護を受けるには、働けない、資産がない、家族のサポートがないなどの条件が必要です。


生活保護を受けると、管轄の福祉事務所に医療扶助の申請が可能になります。

申請が認められれば、生活保護法医療券・調剤券または診療依頼書が発行されます。

<外部の関連サイト>:生活保護制度|厚生労働省

債務整理を検討する

借金でお金がなく病院に行けない場合は、債務整理も検討しましょう。

債務整理は、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の、4種類に分けられます。


利息の発生を止めたり、借金を最大1/5までカットしたり、借金を全額チャラにするなど、債務整理の種類によって効果は異なります。

ご自身にどの債務整理が合っているか知るために、弁護士事務所に相談してみるとよいでしょう。


ただし債務整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、最低5年は新規の借り入れができなくなる点、ご注意ください。

<関連記事>:消費者金融の債務整理で抑えておきたいこと


ここまでお金がない人が病院に行くために、活用できる公的制度を見てきました。

これらを表にまとめましたので、自分がどこに該当するのか確認して下さい。


<医療費の支払いが厳しい人のための公的制度まとめ>

制度 対象 効果
無料低額診療 生計困難者 受診料の全額または一部免除 ※対象者の生活状況による
一部負担金減免制度 被災して住居が損害を受けた人 など 自身が負担する医療費の猶予(支払期限を最大で半年延長)、減額または免除
高額療養費制度 毎月の医療費の負担額が高額になる人 自己負担限度額を超えた医療費の差額が払い戻される
限度額適用認定証を持っている場合、差額分を差し引いた支払いが可能
高額医療費貸付制度 毎月の医療費の負担額が高額になる人、かつ、限度額適用認定証を持たず窓口で全額支払った人 高額療養費支給予定額の8割~9割を無利子で借り入れできる
軽減制度 保険料の支払いが厳しい人 保険料の2割~7割を軽減
※該当する所得基準による
傷病手当金制度 病気やケガで仕事に行けず、給料がもらえない人 標準報酬日額の2/3に相当する額を支給
(会社を休み始めて4日目から、最長1年6か月目まで)
医療費控除 ・世帯全員を合わせた医療費が年間で10万円以上となる場合
・年収300万円以下の世帯で医療費が所得の5%以上となる場合
支払った医療費が所得税額から控除される分、払い過ぎた所得税が還付される
生活保護(医療扶助) 経済的に余裕がなく、医療費などが払えない人 医療費が支給される
(本人負担がなくなる)
債務整理 借金のせいで医療費が支払えない人 借金の一部ないし全額を免除する
この内、債務整理の他は全部、市役所で相談に応じてもらえます。気になる方は、お近くの市役所にお問い合わせください



お金がないけど病院に行きたい!公的な制度以外の方法は?

お金がない人が病院に行くために利用できるのは、何も公的な制度だけではありません。

公的な制度の他にも、お金がない状況を乗り切る方法があります。

分割払い・後払いを利用する

病院や薬局によっては、かかった費用の分割払い・後払いを利用できます。

分割払いは、複数回に分けて費用を支払う方法です。


毎月、一定額を病院に支払います。

1度に大きな金額を支払えない場合に有効ですが、利息が発生する点に注意して下さい。


一方で後払いは、指定月に一括で費用を支払う方法です。

分割払いのように毎月の返済はありませんが、後払いでも利息が発生します。


分割払い・後払いに対応してもらえるか病院・薬局に確認した上で、ご自身の状況に適した方法を選びましょう


特に薬局の支払いについて、処方箋の有効期間内(4日間)にお金を用意してから、薬局に行く方法もあります。

処方箋の有効期限が切れると、再発行は全額自己負担になるので注意して下さい

クレジットカード払いにしてもらう

最近は、クレジットカードに対応可能な病院や薬局も増えています。

小さな病院や薬局ではクレジットカードに対応している所は少ないですが、インターネットで検索すればクレジットカードを利用できる病院や薬局を探せます。


手持ちの現金が少ない場合は、クレジットカードのショッピング枠を利用して後払いにするのも、1つの手です。

家族や友人などにお金を借りる

比較的リスクが少なく安全なのは、家族や友人などにお金を借りることです。

長期の入院などで大きな金額が必要だと相談すれば、親身になってくれる人もいるでしょう。


この場合は金額に関わらず、借用書を書くことをオススメします。

借用書があればお金を貸す側も安心ですし、お金を借りることに対して誠意を見せることができます。

<関連記事>:借用書の書き方を解説!法的に有効な(無効にならない)ためには?

ローンを利用する

人にお金を借りるのは避けたいという方は、ローンの利用を検討してみて下さい。

中でもメディカルローンは、高額な医療費を支払うことになった際に利用できる、医療費専門のローンです。


病気やケガの治療だけでなく、美容整形やレーシックといった保険適用外の医療費も対象となります。

メディカルローンは用途が限定されるため、通常のカードローンより金利が低めなのが魅力です。


一方で審査については、通常のカードローンよりも通るのが難しいケースが多いです。

審査にも数日かかる場合が大半のため、メディカルローンで即日融資は利用できません。


したがってお金をすぐに用意したい場合や少額の借り入れで済む場合は、通常のカードローンを利用する方が便利です。

ご自身の状況に応じて、適したローンを選びましょう。

消費者金融は即日での借り入れに対応してますが、金利が高いので長期の借り入れには向いてません。急ぎで借りる必要がある人は、一旦は消費者金融で借りた後、メディカルローンで借り換えをしましょう



病院に行くお金が足りない!医療費を抑える方法は?

ここまで紹介したのは、お金がなくても病院で治療を受ける方法でした。

ここからは、病院や薬局でかかる医療費を抑える方法を紹介します。

かかりつけの病院や「かかりつけ薬局」を持つ

なるべく同じ病院を利用したり、「かかりつけ薬局」を持つことで医療費を節約できます。

病院では毎月の初回受診の際に初診料を払いますが、2回目以降の受診では、診察料は初診料より安くなります。


再診料の診療報酬点数は初診料の1/3のため、同月内に同じ病院を受診した方が、複数の病院を受診するよりも診察料を抑えられます。


また「かかりつけ薬局」を持つことも、費用削減につながります。

一つには別々の薬局で、同じ薬が重複して処方されるのを防ぐことができます。


二つ目は、お薬手帳を同じ薬局に持参した場合、前回の利用から半月以内なら「薬剤服用歴管理指導料」の調剤報酬点数が低くなり、お薬代を少しだけ安くできます。


なるべく受診する病院・薬局をその都度変えたり(=はしご受診)せず、お薬手帳を持つことを心がけて下さい。

行きつけの病院や薬局を持っておくと、治療費などの相談もしやすくなる点もメリットです

いきなり大病院に行かない

初診で大病院を利用すると、医療費がかさむ恐れがあります。

ベッド数が200床以上の病院では、初診で紹介状がないと特別料金が加算される場合があるためです。


特別料金は保険適用外なので、患者の自己負担となります。

特別料金の金額は医療機関が自由に設定できるので、場合によっては1000円~8000円程度の負担増になるかも知れません。


また大病院だと利用者が多いため、待ち時間が長くなる傾向があります。

お金と時間の節約のためにも、初診はできるだけ地域の病院やクリニックを利用しましょう。

<外部の関連サイト>:紹介状なしで大病院を受診すると特別の料金がかかります | 政府広報オンライン

受診時間に注意する

病院や薬局では利用した時間帯によっては、診療時間内(受付時間内)でも時間外料金が加算されます。


平日の8時~18時、土曜日の8時~12時以外の時間だと、時間外料金が発生するので、注意が必要です。


ちなみに、主な時間外加算の種類は以下の通りです。

時間外加算の種類 加算額
時間外加算
(おおむね6時~8時、18時~22時)
一般 850円
特例(救急病院など) 2,300円
休日加算 2,500円
深夜加算
(22時~6時)
4,800円

<外部の関連サイト>:時間外加算 | けんぽれん(健康保険組合連合会)

休日加算と深夜加算の負担は特に大きいです。急病や急なケガでない限り、計画的な受診を心がけましょう

ジェネリック医薬品・スイッチOTC薬を利用する

「ジェネリック医薬品」とは、「先発医薬品」と同じ成分・効き目を持つ(とされる)後発の医薬品を指します。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許が切れた後に発売されたもので、先発医薬品の約7割の価格で購入できます。


一方で「スイッチOTC薬」とは、処方箋がないと使用できない医療用医薬品の成分の中で、市販薬でも使えるようになった成分を使った医薬品のことです。


強い効き目のある薬を病院にかからず、ドラッグストアなどで購入できるのでお得です。

風邪薬や鼻炎薬、胃薬や口唇ヘルペスなどの治療薬が、近年スイッチOTC薬として販売されています。


ジェネリック医薬品やスイッチOTC薬を活用して、薬代を上手に抑えましょう。

常に保険証を携帯する

医療費を抑えるためにも、外出時には常に保険証を持ち歩きましょう。

保険証なしで受診した場合、自由診療扱いになって医療費は全額自己負担になるためです。


もっとも、全額自己負担で支払った医療費は、払い戻しを受けられる場合があります。

医療費を支払った日の翌日から2年以内に保険協会に申請すれば、「療養費(被扶養者の場合は家族療養費)」として支給されます。


ただし払い戻しを受けるには、保険診療を受けられなかった理由が「やむを得ない事情」であると認められることが条件です。


また療養費として戻ってくるのは、支払った医療費の全額ではありません。


払い戻されるのは、健康保険の基準で計算した額(計算額が実際に支払った額を超えるならば、実際に支払った額)から、一部負担金相当額を差し引いた金額です。


このように保険証を忘れても医療費の全額負担は免れる場合はありますが、払い戻しを受けるには手間がかかります。

旅行などの遠出でなくとも、日頃から保険証を持ち歩いておくことをオススメします。

<外部の関連サイト>:医療費の全額を負担したとき|全国健康保険協会

保険証は身分証明書としても利用できますが、顔写真がないので身分証明書として認められないケースもあります




以上、お金がなくても病院で治療を受ける方法と、医療費を抑える方法について解説しました。

お金がなくても病院で治療を受けられることは、法律で保証されています。


自身の状況に応じた公的な制度を利用したり、分割払い・後払いなどの対応策を取ることで、お金のない人でも病院で治療を受けることが可能です。


とはいえ医療の負担を最も軽くするには、健康であることが1番です。


日頃から規則正しい生活を心がけるなど、少しでも病気やケガのリスクを減らして、健康な生活を送りましょう。


この記事のまとめ

  • お金がなくても病院で診察治療が受けられることは、法律で定められている
  • 無料低額診療や高額医療制度など、お金がなくても医療が受けられるよう支援する公的制度がある
  • 家族などにお金を借りたり、医療費専用のメディカルローンを利用するなどの方法もあり
  • 病院・薬局によっては、分割払いや後払いなど相談できる場合もあり
  • かかりつけの病院や薬局を持ったり、ジェネリック医薬品などを活用することで、医療費を節約できる

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初めまして。このサイトの管理人で、「もぐお」と言います。元銀行員で、このサイトの執筆・監修を行っています。


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