年金を担保にお金を借りる!年金担保貸付制度とは?

生活するお金に困っていても、高齢であったり、障害があるなどの理由で年金を受給している場合、簡単にアルバイト先が見つからないことも多いです。

そんな時に頼れるのが、自身の年金を担保にしてお金を借りられる、「年金担保貸付制度」です。


ここでは、年金受給中の方にとってお金を借りる“最後の手段”とも言える年金担保貸付制度について見ていきます。


年金担保貸付制度とは?

年金担保貸付制度

公的年金を担保にお金を借りられる制度

「年金担保貸付制度」とは、公的年金を受給している人が、年金を担保に利用できる融資制度のことです。

独立行政法人福祉医療機構(WAM)や日本政策金融公庫(JFC)で、この制度を利用することができます。


年利は、福祉医療機構では年金担保融資(2.1%)と労災年金担保融資(1.4%)、日本政策金融公庫では恩給・災害補償(0.36%)と共済年金(1.76%)で、かなり低いです。

対象者は「今すでに年金を受給している人」だけです。まだ年金の受給が始まっていない人は、利用することができません。

経済的に苦しい高齢者の救済が目的

「年金担保貸付制度」は、お金に困った高齢者が安全にお金を借りることを目的として作られた制度です。

年金生活の高齢者は、家族・知人以外からお金を借りることは、相当困難です。審査に通らないからです。


こうした、お金に困った高齢者を支援する目的で、年金担保貸付制度が運営されています。

年金担保貸付制度を行うのはWAM、JFCの2団体のみ

基本的に、年金を担保にしてお金の貸し借りを行うことは違法です。

年金を担保にした融資を受ける場合は、必ずきちんと認められた公的機関を利用しなくてはいけません。


現在、年金担保貸付制度を通じて融資を行うことが認められているのは「独立行政法人福祉医療機構(WAM)」と「日本政策金融公庫(JFC)」の2つだけです。

これ以外の企業・団体が「年金を担保に融資します」と言ってきた場合は、違法です。十分に注意しましょう。


<外部の関連サイト>:年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業|福祉医療機構

<外部の関連サイト>:恩給・共済年金担保融資|日本政策金融公庫


年金担保貸付制度の利用条件は?誰なら使えるの?

年金担保貸付制度,利用条件

受け取っている年金で申し込み先が違う

先ほども書いた通り、現在すでに年金を受給している人だけが対象です。

また、受け取っている年金の種類によって、年金を担保に融資の申し込みをできる団体が違います。違いは以下の通りです。


・独立行政法人福祉医療機構(WAM)
厚生年金、国民年金、船員保険年金、労災年金

・日本政策金融公庫(JFC)
その他の年金の場合(各種共済年金や恩給など)


簡単に言えば、厚生年金・国民年金などの場合は独立行政法人福祉医療機構(WAM)、その他の年金の場合は日本政策金融公庫(JFC)に申し込めばよい、と覚えておくとよいでしょう。

借りたお金の使い道は?制限はある?

WAMとJFCでは、融資を受けたお金を使ってよいとされる範囲が若干異なります。

まずどちらの団体も、ギャンブルなど遊びの目的に使ったり、違法な物を購入することを禁止している点は同じです。


その他に使ってもよいとされる使途は、一例として下記のようになっています。


・独立行政法人福祉医療機構(WAM)
住宅の修繕費や医療費、食費、壊れた家電を買い換えるための費用、事業維持費など。

債務の一括整理で利用することも可能(カードローンなどで借りたお金の借り換え目的)

・日本政策金融公庫(JFC)
住宅などの資金や事業資金


WAMで借りたお金は「債務の一括整理にも使用してよい」となっていますが、JFCに関してはそのような記載はありません。

こうして見ると、WAMの方が幅広い目的で借りたお金を使えることが分かります。

担保にする年金の証書を提出すること

WAMとJFCのどちらから融資を受ける場合も、必ず担保にする年金の「証書」の提出が必要です。

年金証書とは、「年金を受給する権利があることを示す証明書」のことです。


すでに年金を受給している方の手元にはこの証書があるはずですが、紛失してしまったり、破いてしまったような場合は年金事務所へ連絡し、手続きを取ることで再発行してもらう必要があります。

<外部の関連サイト>:日本年金機構 年金証書をなくしたとき

融資の対象外となる人

WAM、JFCでは融資の対象外となる人を定めています。

まず、両団体とも以下の人は対象外としています。

・生活保護を受給中である
・以前、融資制度を利用した時に生活保護を受給し、生活保護終了から5年経過していない



WANでは、以下の人は対象外です。

・年金の支給が全額停止されている
・同一の年金で借り入れ残高がある


その他、細かい規定もあるため、団体に一度は事前に問い合わせることをおススメします。


年金担保貸付制度の貸付条件・返済・申し込み方法など

年金担保貸付制度,利用方法

年金担保貸付制度の借り入れ条件は?

WAMとJFCのどちらを利用するかによって、借入限度額や金利(年率)などが変わってきます。

また、WAMとJFCのどちらも、借主が借りすぎないように、年金の受給金額に応じて、融資の上限額を設定しています。

融資限度額 年率
独立行政法人
福祉医療機構(WAM)
10万~200万円
(1万円単位)
・年金担保融資:2.1%
・労災年金担保融資:1.4%
日本政策金融公庫
(JFC)
250万円 ・恩給、災害補償:0.36%
・共済年金:1.76%


年金担保貸付制度の返済方法は?

WAMとJFCでは、返済方法が少し違います。

・独立行政法人福祉医療機構(WAM)
年金支給総額の3分の1までの範囲内で、「最初に自分で決めた金額」が毎月の年金から定額返済の形式で天引きされます。

年金から返済額を差し引いた残りが毎月、年金受取口座に振込まれます。


・日本政策金融公庫(JFC)
融資を受けたお金を完済するまで、毎月の年金は「全額」日本政策金融公庫が受け取ります。

年金の全額を返済にあてる決まりであるため、自分で毎月の返済額を決めることはできません。


上記を見て分かるとおり、WAMの場合は返済額を差し引いた年金を毎月受け取ることができます。

一方でJFCを利用した場合は、完済するまで年金を1円も受け取れないことになるため、注意が必要です。

年金担保貸付制度の申し込み方法

WAMで年金担保貸付制度を申し込む場合は、自分が年金を受け取っている銀行・信金の窓口から申し込みをします。

いつも年金を受け取っている銀行・信金へ出向き、「年金担保貸付制度」を申込みたい旨を窓口で伝えます。


一方、JFCの場合は全国にある日本政策金融公庫の窓口を通じて申し込みをします。


年金担保貸付制度を利用する前に確認したいポイント

年金担保貸付制度,ポイント

ここまで、年金担保貸付制度の内容をまとめて見てきました。

最後に、利用前の確認ポイントを見ていきます。

WAMでは連帯保証人が必要になる

WANから融資を受ける場合、連帯保証人が必要になります。

連帯保証人は親族(3親等以内)で70歳未満、さらに融資申し込み時に、一緒に窓口まで来てくれることが条件です。


連帯保証人が用意できない場合は、「信用保証制度」を利用することができます。

信用保証制度とは、借主が万一返済できなくなった時、代わりに弁済してくれる仕組みです。


利用には保証料がかかり、借入金額の2.1%になります。

担保は貴重な「年金」だということを忘れずに

何度も繰り返すようですが、「年金担保貸付制度」は、あなたの貴重な“年金”を担保にして受ける融資です。

本当に苦しい場合はもちろん利用を検討すべきですが、「まだ他に手立てがあるかもしれない」という段階で気軽に手を出すことは危険です。利用は慎重に行いましょう。

怪しい業者は利用しない

年金を受給する年齢ともなると、一般的には銀行や消費者金融からの融資も受けられないことが多いでしょう。

世の中には、こういった人たちを狙い、郵便や電話で融資を持ちかけてくる違法な業者(=ヤミ金)が複数存在します。


先でも書いたとおり、「年金を担保に融資を行ってよい団体」は、WAMとJFCの2つしかありません。

このような団体がこちらから頼んでもいないのに、「お金を貸しますよ」という連絡をしてくることは絶対にありません。


何もしていないのに連絡をしてくる業者があれば、それはヤミ金だと思って間違いありません。

そのような業者には関わらないよう、十分に注意しましょう。

完済前に亡くなったら借金はどうなるのか?

「もしも完済前に死んでしまったら、借金はどうなるのか?」は、気になる部分だと思います。

これは、「保証人」と「信用保証制度」のどちらを利用したかによって変わってきます。


・保証人を立てている場合:
死後は保証人が借主に代わって返済を継続する

・信用保証制度を利用した場合:
借主が死亡した時点で借金の残高はゼロとなる。家族や親戚に返済義務が生じることはない。


住宅ローンなどでよく見られる「団体信用生命保険(=団信)」という保険がありますが、年金担保貸付制度でも「信用保証制度」を利用した場合は、基本的にこの団信と同じです。

返済不能に陥らないよう、しっかり計画を立てる

ここまで、年金担保貸付制度は低金利な融資であること、また、「信用保証制度」を利用した場合に限り、借主の死亡と同時に借入残高がゼロになることなどを見てきました。

しかし、いくら低金利でも借金は借金です。


また、本来、「生きるため」に借りているお金なので、自分が亡くなったら借金が帳消しになる…などとまだ先のことを考えても仕方がありません。

せっかくお金を借りることができたのであれば、健康に明るく生活し、計画的に返済をしていくことが気持ちの上でも一番なはずです。


年金生活でもできるだけ早い段階で借金を完済するためにも、借り入れと返済の計画は事前にしっかり行いましょう。

この記事のまとめ

  • 年金担保貸付制度=年金の権利を担保にしてお金を借りる制度
  • 融資を行う団体はWAMとJFCの2つのみ
  • 生活保護を受給している場合は融資を受けられない
  • WAMで融資を受ける場合、保証人か保証制度の利用が必要
  • 借主が死亡した場合、「信用保証制度」を利用していれば借入残高がゼロになる

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初めまして。このサイトの管理人で、「もぐお」と言います。元銀行員で、このサイトの執筆・監修を行っています。


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