【元銀行員が解説】貸付自粛制度とは?借金させない制度の使い方と注意点

借金を繰り返している人の中には、「借金をやめたいのにやめられない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。


実は、そういった人がこれ以上借金を重ねないよう、「貸付自粛制度」という制度があります。

今回は、この貸付自粛制度の使い方と注意点について、詳しく紹介していきます。


貸付自粛制度のキホンを解説!

まずは貸付自粛制度について、基本的なことを押さえましょう。

貸付自粛制度の役割や仕組みについて、分かりやすく解説します。

貸付自粛制度とは?

貸付自粛制度とは、簡単に言うと「借金をできないようにする制度」です。

浪費癖のある人やギャンブル依存症の人などは、借金によって本人だけでなくその家族の生活にも大きな影響を及ぼす可能性があります。


貸付自粛制度を利用すると、本人に対して消費者金融やクレジットカード会社が貸付をしなくなるため、それ以上借金が増えるのを防ぐことができます。

基本的には本人の申告が必要ですが、詳しくは「誰が申し込めるの?」で解説いたします。

自分のことが信用できない!意思が弱い、という人にはオススメの制度です

貸付自粛制度の仕組みは?

貸付自粛制度の仕組みは?

貸付自粛制度は日本貸金業協会で申し込みを受け付けており、受理されると信用情報機関に貸付自粛情報が登録されます。

信用情報機関とは、日本信用情報機構(JICC)・株式会社シー・アイ・シー(CIC)・全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つです。


今まではこのうちJICCとCICの2カ所に登録されていましたが、2019年3月29日よりKSCも連携することになりました。

<外部の関連サイト>:貸付自粛制度がはじまります! | 全国銀行協会


貸金業者や金融機関は貸付の申し込みがあると、それぞれ加盟している機関に照会してその人の情報をチェックします。

もしそこで貸付自粛情報が登録されていた場合、貸金業者や金融機関は、その人に対して新規の貸付を自粛することになります。

有効期間は、登録されてから5年以内です。

登録内容、登録にかかる期間は?

貸付自粛制度を利用すると、信用情報機関に「氏名・性別・生年月日・住所・携帯電話番号(または自宅電話番号)・勤務先名・勤務先電話番号」が登録されます。

登録にかかる期間は、申し込み日から3営業日程度が目安です(土日祝日、年末年始は除きます)。


申し込みについては後ほど詳しく取りあげますが、郵送で申し込んだ場合、書類に記入した電話番号に貸金業協会から連絡が来ます。

そこで本人確認を行い、確認が取れた日が申し込み日という扱いになります。

当然ですが郵送だと、もう少し時間が掛かります。早く適用したい人は、協会で直接申し込みをしましょう。


貸付自粛制度へ申し込むには?

もし貸付自粛制度を利用したい場合、どこにどうやって申し込めば良いのでしょうか?

次は貸付自粛制度の申し込みについて、詳しく解説していきます。

誰が申し込めるの?

貸付自粛制度は、原則として本人が申し込みをします。

ただし本人が未成年者の場合や、精神障害によって判断能力が充分にない場合などは、法定代理人でも申請が可能です。


代理人とは、本人の代わりに申請や契約などの法律行為を行う人のことです。

そのなかでも法律によって決められる代理人のことを、法定代理人と言います。


一番分かりやすいのは、本人が未成年者の場合です。

この場合の法定代理人は親権者(または未成年後見人)になります。


また、成年後見制度を利用している場合は、成年後見人が法定代理人にあたります。

本人や法定代理人のほかに、配偶者や親族が申し込みできる場合もあります。

しかし、それができるのは、本人が行方不明になっているなどの特殊なケースに限られています。

<外部の関連サイト>:法定代理人とは?民法上の意味・定義・注意点について解説

本人以外の申し込みは、かなりハードルが高いです

どうやって申し込むの?

貸付自粛制度は日本貸金業協会の窓口で申し込みをする方法と、協会・全国銀行個人信用情報センターに郵送で申し込みする方法の2パターンがあります。


全国の都道府県には協会の支部が設けられており、その窓口で申請をすることができます。

最寄りの支部にあらかじめ電話し、開設日時を確認しておきましょう。


郵送で申し込む場合、必要書類等をまとめて協会・センターへ送付します。

センターには申込窓口がないため、郵送のみでの受付になります。

なお申し込み料(登録料)は不要ですが、郵送の場合は返信用の切手代金がかかります。

<相談窓口はコチラ>:貸付自粛のお問い合わせ | 日本貸金業協会

申し込みに必要な書類は?

誰が、どういう方法で申し込むかによって、必要とされる書類が違ってきます。

一つずつ見ていきます。

<本人・協会>
協会で申し込む場合は、免許証などの本人確認書類があれば大丈夫です。


<本人・郵送>
郵送の場合は本人確認書類のコピーに加え、申告書と返信用切手を送付します。

申告理由がギャンブル等の場合は、貸付自粛申告確認書も必要です。


もし申告書に不備があったり、返信用切手が不足していたりすると、申請が受理されなくなるので気を付けましょう。

また、書類が協会に届いてから電話で本人確認をするため、申告書には平日の日中に連絡の取れる電話番号を記入しておいてください。

電話で本人確認ができないと、受付されずに書類を返却されてしまいます。


<法定代理人が申告>
法定代理人が申告する際には、申告者の身分証明書・本人と申告者の関係を証明する書類が必要になります。

未成年者の親権者であれば戸籍全部事項証明書、成年後見人などであれば家庭裁判所の発行する審判書の謄本などがそれにあたります。


<配偶者や親族が申告>
法定代理人以外、つまり配偶者や親族が申告する際には、申告者の身分証・本人と申告者の続柄を証明する書類に加え、本人が行方不明になっていることを証明する書類が必要です。

家庭裁判所で発行される失踪宣告の審判書などが、それにあたります。


申告する前に、必要な書類が全てそろっているか確認しておきましょう。

繰り返しになりますが、本人以外の申し込みは必要書類が多く、ハードルが高いです。気軽に申し込みはできませんね。


貸付自粛制度の利用上の注意点は?

家族は申し込みできない(ケースがほとんど)

いくら家族にギャンブル狂や浪費癖のひどい人がいたとしても、原則的に本人以外は申告ができません。

家族や親族が申告できるのは、本人が行方不明になっているなど、ごく限られたケースだけです。


それ以外にも細かな要件を満たす必要があり、申告のハードルはかなり高くなっています。

借金によって本人や家族の生活に支障が出ていたとしても、本人が申告しない限り貸付自粛制度を利用するのは難しいでしょう。

申し込み前の借入れ・カードローンには適用されない

貸付自粛制度を利用しても、返済中の借入れや、利用中のカードローンなどには適用されません。

貸付自粛制度は、貸金業者・金融機関が信用情報機関の情報を頼りに、新規の貸付をしない制度です。


申し込み前の借入れやローンについては、制度を利用し始めてからも同じように返済していくことになります。

今以上に借金が増えるのを防ぐことはできますが、決して今ある借金を減らす制度ではないので間違えないようにしましょう。

使ってないカードローン枠などありましたら、直ちに解約した方がよいでしょう

有効期間中は住宅ローンなど新規の借入れができない

貸付自粛情報が登録されている間は、一切の与信取引ができなくなります。

そのため、新規でクレジットカードを作ることもできませんし、携帯電話の機種代を分割で支払うこともできません。


住宅など非常に高額な買い物をする場合でも、新しくローンを組むことはできないため、一括で支払いをすることになってしまいます。

このように新規の借入れができなくなると、日常生活でそれなりに不自由する場面がでてくることが予想されます。

借入が絶対に不可になるとは限らない

申告が受理されても、借入れが絶対できなくなるとは限りません。

実は、貸金業協会の役割は信用情報機関への登録までで、それぞれの機関に加盟している業者の動きを直接規制しているわけではありません。


まっとうな会社であれば、貸付自粛情報が登録されている人に貸付はしないでしょう。

しかし、あくまで「自粛」ですので、絶対に貸付しないとは言い切れません。


また闇金は信用情報機関に加盟していないため、こうした制度とは関係なく貸付を行っています。

個人間の借り入れを規制することもできません。


どこからも借入ができなくて闇金に走った、なんてことになれば、事態は余計に悪くなってしまうでしょう。

闇金からの借り入れは絶対にNGですよ!

借入ニーズが出ても、すぐに撤回できない

貸付自粛制度を利用し始めると、借入れを再開したいと思っても撤回に3ヵ月かかります。

クレジットやローンが使えなくても、普通に生活している分には3ヵ月くらいなら耐えられますよね。


しかし、病気やケガなどで急に多額の費用が必要になったとしたら、どうでしょうか?

こういった場合でもすぐに撤回することはできないので、非常に困ることになります。


本人以外からの申告によって開始した場合であれば、要件を1つでも欠いていることを示せれば3ヵ月以内の取り消しも可能です。

ただし、申告の際と同様、取り消しも相当ハードルが高いのが難点です。


以上、貸付自粛制度について説明してきました。

貸付自粛制度を利用することで、ついつい借金してしまうのを防ぐことができます。


急にお金が必要になってもすぐには撤回できない、闇金や個人からはお金を借りられる、などの欠点もあります。

とはいえ、「これ以上借金を増やしたくない」「お金の浪費を辞めたい」と考えている人は、この制度の利用を検討してみても良いかもしれません。

この記事のまとめ

  • 貸付自粛制度とは、一定期間、新たに借入ができないようにする制度
  • 申し込みは原則本人が行い、配偶者や親族が申告できるのはごく限られたケースのみ
  • 日本貸金業協会に直接出向いて申し込むほか、郵送で申し込むことも可能
  • あくまで「自粛」なので、絶対に借入れできなくなるとは限らない
  • 急にお金が必要になってもすぐには撤回できないので注意しよう

もぐお

この記事の執筆者: もぐお

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