出資法とは?元銀行員がわかりやすく解説します!

出資法は、金利や出資などを規制する法律です。

ただ聞いたことはあっても、詳しく説明できる人は少ないでしょう。


今回は出資法の内容や、上限金利について解説します。


出資法って何?キホンを解説します

出資法は金利や出資などを規制する法律

出資法とは、出資の受け入れや金銭の預かり業務、金利を規制する法律です。

正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」で、略して出資法と呼ばれています。


キャッシングの世界では、貸金業者の金利を規制する法律として知られていることが多いです。

<外部の関連サイト>:出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律|e-Gov

規制のメインは貸金業者ですが、一部の個人取引なども出資法の規制対象です

出資法は、なぜ生まれたの?

出資法が生まれたきっかけは、ある経済事件でした。

戦後混乱期は、まだ消費者(出資者)を保護する法律が整備されていませんでした。


そんな中、1953年に匿名組合「保全経済会」による詐欺事件が起きました(「保全経済会事件))。

保全経済会は、高配当を保証した誇大宣伝を行い、不特定多数から資金を集めました。


しかし実際は経営が苦しく、出資者(一般の人々)は出資金だけが騙し取られた形になりました。

これを機に、出資などに関する消費者保護の必要性が議論されるようになり、1954年に出資法が成立しました。

<外部の関連サイト>:保全経済会事件|Wikipedia

出資法の上限金利は?

出資法第5条で、上限金利が定められています。

貸金業者の上限金利は年率20%で、これに違反すると刑事罰が科されます。


5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、あるいはその両方が科されます。

上限金利は段階的に引き下げられてきた経緯があり、実は出資法が施行された頃は年率109.5%でした。


この点については、後ほど詳しく見ていきます。

出資法第5条2項
前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。


ちなみに業者ではない個人間の取引における上限金利は、現在も109.5%です

「出資法違反」となるのは、どんな時?

上でみたように、年率20%を超える金利を課した場合、刑事罰に問われます。

ですが金利以外にも、出資法違反となるケースが数多く存在します。


第1条では、不特定多数に対する出資金の受入れを禁止しています。

この規定は、上で触れた「保全経済会事件」をきっかけに定められました。


出資金が必ず返還されるかのような誇大広告によって、消費者が不測の損害を被ることを防いでいます。

出資法第1条
何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。


第2条では、資格のある人(団体)以外が「預り金」を行うことを禁止しています。

預り金とは、不特定多数からの金銭の受け入れ、つまり預金・貯金などを指します。


ただし銀行法による銀行、信用金庫法による信用金庫など、他の法律で特別に規定されている者は例外と見なされます。

出資法第2条
業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。
2 前項の「預り金」とは、不特定かつ多数の者からの金銭の受入れであつて、次に掲げるものをいう。
一 預金、貯金又は定期積金の受入れ
二 社債、借入金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、前号に掲げるものと同様の経済的性質を有するもの


第3条では、「浮貸し(うきがし)」を禁止しています。

浮貸しとは、金融機関の従業員が、自分もしくはその金融機関以外の利益のために、従業員という立場を利用して、金銭の貸し付けを行う行為です。


簡単に言えば、金融機関の従業員という地位を利用した副業です。

出資法第3条
金融機関(銀行、信託会社、保険会社、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、農林中央金庫、株式会社商工組合中央金庫、株式会社日本政策投資銀行並びに信用協同組合及び農業協同組合、水産業協同組合その他の貯金の受入れを行う組合をいう。)の役員、職員その他の従業者は、その地位を利用し、自己又は当該金融機関以外の第三者の利益を図るため、金銭の貸付け、金銭の貸借の媒介又は債務の保証をしてはならない。


最近の例で言えば、個人間融資の掲示板やSNSで、消費者金融の現役社員を名乗る人物が融資の申し出を書き込んでいますが、出資法違反にあたる行為です。

<関連記事>:個人間融資とは?そのリスクを分かりやすく解説



出資法の上限金利はなぜ20%まで下がったの?

出資法の上限金利の推移

以下は、出資法の上限金利の推移です。

出資法の上限金利の推移
<出典>:金融庁資料より作成

上限金利は段階的に引き下げられましたが、以前は今では考えられないほどの高金利がまかり通っていました。

段階的にせよ出資法の上限金利が下げられたのは、貸金業者(当時のサラ金)による過剰融資や過酷な取り立てが社会問題になっていたためです。


1983年から1991年にかけて、109.5%から40.004%まで引き下げられました。

さらに1999年には、当時の「商工ローン」による取り立てが社会問題となり、貸金業規制法の改正と共に出資法も改正され、2001年には29.2%まで上限金利が下げられました。


それでも出資法の高い上限金利に対する批判は、止むことはありませんでした。

<外部の関連サイト>:出資法上の上限金利の見直し | 財政金融委員会


商工ローンの取り立てでは、債務者に電話で「(返済できないなら)内臓や目玉を売れ!」などと脅し、債務者がこれを録音してマスコミに公開したため、社会的に大きく取り上げられました

グレーゾーン金利が多重債務の温床に

下がったとはいえ、それでも当時の出資法と利息制限法では、上限金利に開きがありました(2001年以降は29.2%)。

しかし出資法に刑事罰がある一方、利息制限法には罰則規定がありませんでした。


このため利息制限法の上限金利を超えているのに、出資法の上限金利内なら刑事罰は科されないという、法的に見て「灰色の金利」帯が存在しました。

この金利帯が、「グレーゾーン金利」にあたります。


グレーゾーン金利は高金利のため借主の負担が重く、返済に行き詰り、多重債務者を生む温床になっていると各方面から批判されてきました。

<関連記事>:グレーゾーン金利とは?元銀行員が分かりやすく解説

利息ばかりが膨らんで、借主にとっては大きな負担でした

キッカケは、2006年1月の最高裁判決

グレーゾーン金利が多重債務者を生み出す要因であるという世間の批判が高まっていました。

それに応える形で、「みなし弁済」を違法とする最高裁判決が、2006年1月に出されました。


グレーゾーン金利は通常であれば無効ですが、みなし弁済規定によって合法化されていました。

最高裁判決でグレーゾーンが違法とされたことを受けて、政府も法改正を進めるようになりました。

<関連記事>:みなし弁済規定とは?元銀行員が分かりやすく解説!

出資法が改正され、上限金利は20%に

2010年に改正貸金業法が完全施行され、グレーゾーン金利が正式に廃止されました。

利息制限法を超える金利は、行政処分の対象になるという規定も追加されました。


出資法の上限金利も、利息制限法の上限金利と同じ年率20%に引き下げられました。

以前のような法の抜け穴はなくなり、他の法改正(総量規制の導入など)とも相まって、多重債務者の数が1/8まで激減しました。


一方の貸金業界は、貸出金利の低下に加えて「過払い金請求」により、経営環境が大幅に悪化しました。

中小企業の淘汰が進み、貸金業者の数はここ10年で1/10まで減りました。

法制度の見直しによって、貸金業界での消費者保護の動きが進みました



ここまで、出資法の内容について見てきました。

上限金利や出資についてなど、過去には規制が存在せず、経済的な被害者を生み出す要因になっていました。


こうした契機で作られた出資法は、経済情勢に合わせる形で改正を重ね、現在の形になっている(上限金利20%)のは、上で見た通りです。

出資法が消費者を守るための、こうした役割を担っていることを知ってもらえたら嬉しいです。

この記事のまとめ

  • 出資法とは、出資の受け入れや金銭の預かり業務、金利を規制する法律
  • 保全経済会事件を機に消費者保護の必要性が叫ばれ、1954年に成立
  • 現在の上限金利は年率20%で、違反すると刑事罰が科される
  • 出資法では、不特定多数に対する出資金受け入れ、特定の資格を持つ組織以外の預金業務なども禁じている
  • 当初109.5%だった上限金利は、社会情勢の変化とともに段階的に引き下げられてきた

もぐお

この記事の執筆者: もぐお

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