還付金詐欺とは?その恐ろしい手口を分かりやすく解説します

近年、振り込め詐欺の一種である、卑劣な「還付金詐欺」が増加傾向にあります。

この還付金詐欺とは、一体どんな手口で行われるのでしょうか?


ここでは還付金詐欺の恐ろしい手口を、詳しく解説します。

還付金詐欺に遭わないために、自分を守るための対策についてもしっかりと把握しておきましょう。


還付金詐欺とは?詳しく解説します

還付金詐欺って何?

還付金詐欺とは

還付金詐欺とは電話やハガキなどの文章で被害者と接触し、ATMから口座間送金によって現金を振り込ませる、振り込め詐欺の一種です。

具体的には市区町村の職員や社会保険庁職員、税務署員といった公的機関の関係者を装い、「医療費の還付金に必要な手続きがあります」などと言葉巧みにATMを操作させます。


そのためATMの操作に不慣れな方は、「お金が返ってくると思って、言われるがままにATMを操作していたら、気づかないうちに振り込んでいた」という事態に陥ってしまうのです。

では還付金詐欺の被害状況や特徴を、次の項でさらに詳しく確認していきましょう。

最近は公的機関の他に、民間企業の職員を装い、携帯電話代やクレジットカードの決済代金の差額を返還すると言って、お金を騙し取る手口もあります

還付金詐欺の被害状況

還付金詐欺の被害状況は、以下のようになっています。

還付金詐欺の被害状況
<出典>:警視庁-特殊詐欺の認知・検挙状況等について(平成31年1月~令和元年12月)


平成28年から平成30年にかけては減少傾向にあった還付金詐欺ですが、令和元年には被害件数が2,383件・被害金額は約30億にものぼります。

特に、都市部を中心に被害が増加傾向にあります。


なお警視庁の令和元年のデータによると、特殊詐欺全体なかで還付金詐欺の被害件数が占める割合は14.2%となっています。

特殊詐欺における還付金詐欺の割合

ちなみに還付金詐欺は、オレオレ詐欺(39.8%)、キャッシュカード詐欺盗(22.4%)、架空請求詐欺(21.4%)に次いで4番目に位置しています。

<関連記事>:ヤミ金とは?その悪質な手口を紹介します!

還付金詐欺の特徴は?

還付金詐欺は、高齢者が主なターゲットとなっているのが特徴です。

被害者全体のうち、60歳以上の方が9割以上を占め、特に65歳から69歳の方の被害者の割合が全体の約4割となっています。


また性別では、女性が約7割を占めています。

高齢者はATM操作に不慣れな方が多く、還付金詐欺の手口に気付けないケースが多いのです。


なお公的機関が、ATMを使って還付金を返還することは絶対にありません。

返還手続きのためにATMへ行くよう指示された場合には、還付金詐欺とみてほぼ間違いありませんので注意しましょう。

<関連記事>:高齢者(60代・70代)でも利用できるカードローンは?

公的な機関から、電話で還付金の連絡が来ることはないです



還付金詐欺の具体的な手口・よく使われる言葉とは?

ニュースや新聞などによる広報の効果もあり、還付金詐欺は多くの方に周知されるようになってきた。

ですが、いざ自分の電話にかかってくると、その悪質な手口に気付けないことがあるかもしれません。


そこでここからは、還付金詐欺の具体的な手口を解説していきます。

被害に遭わないために、よく使われるセリフも押えておきましょう。

ケース1. 自治体や税務署の職員を名乗り、還付金があると告げる

還付金詐欺の手口

「社会保険事務局の〇〇と申します。医療費の過払い金が42,150円あり、還付の手続きのため電話しました」

上記のように還付金詐欺は、市区町村の職員や年金事務所の職員、税務署員などの公的機関を名乗り、ターゲットに返すお金があるという内容の連絡をしてきます。


なお還付金の名目には、主に次のようなものが使われています。

主に還付金の名目に使われるもの
  • 医療費
  • 年金
  • 税金


また「以前、還付通知書を送付しましたが、手続きされていないようなので電話しました」「還付金受け取りの連絡がなかったので、確認のために電話しました」などといった、ターゲット側にも落度があるようなセリフを追加することで、電話主が法律の手続きを踏んでいると錯覚させるケースもあります。

<関連記事>:お金がないけど病院に行きたい!治療を受ける方法は?

各自治体のホームページでは、「ATMでは還付金の支払いを行っていない」と、注意喚起を行っています

ケース2. 冷静さを失わせるセリフを言う

「手続き期限が本日中となっていますので、急いで手続きしてください」

「すでに期日が過ぎていますが、本日中であれば手続き可能です」


上記のようなセリフを用い、言葉巧みにターゲットを焦らせます。

ターゲットとなった方は、「急がなければお金を返してもらえなくなる」という心境に陥り、冷静さを失ってしまうのです。


続いて次のようなセリフで、携帯電話を持ってATMへ向かい、折り返し電話するよう指示します。

「還付金を振り込むので、携帯電話とキャッシュカードを持ってATMへ行ってください」

「ATMに着いたら、手続き方法を説明しますので、〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇まで電話してください」


なおすでに説明している通り、公的機関がATMを使って還付金を返還することは、絶対にありません。

ATMへ行くように誘導された場合には、還付金詐欺を疑いましょう。

3.金融機関以外のATMへ誘導する

近年金融機関のATMは、振り込め詐欺を未然に防止するための対策が強化されるようになってきました。

そのため還付金詐欺の手口として、人の目に留まりにくいコンビニやスーパー内のATMへ誘導されるケースが多くあります。


また事前にターゲットの家の周辺を調査したうえで、人目につきにくい無人のATMを指定してくるケースもありますので注意してください。

ATMに到着し犯人へ折り返し電話をかけると、「操作方法を説明しますので、私の言った通りにボタンを押してください」などと早速操作を指示されます。


その際「ボタンを押し間違えると手続きができません」「振り込みができなくなってしまいますので、間違えないように注意してください」などと、プレッシャーをかけてくる場合もあります。

間違えるとお金が返ってこないと刷り込まれることにより、ターゲットは言われるがままに操作してしまうのです。

<外部の関連サイト>:還付金等詐欺 | 一般社団法人 全国銀行協会

ATMでキャッシュカードを使用する際は、他人の指示で操作をしないようにしましょう

4.残高照会をさせる

「画面の『残高照会』ボタンを押し、表示された番号を右から読んでください」

上記のようなセリフで、犯人側はまず口座残高を確認し、ターゲットからいくら騙し取れるかを把握します。


このとき残高を右から読むように指示するため、ターゲットは自分が残高を告げていることに気付きにくいのです。

なお「『残高照会』の画面で表示された数字は、何桁表示されていますか?」と、残高の桁数を確認される場合もあります。


そのまま振込手続きをさせるために、「『お振込』ボタンを押してください」と指示します。

「取扱番号」や「個人番号」などという、ターゲットに気付かれにくい偽りの名目を使って振込金額を入力させ、最後に画面上の『確認』ボタンを押すよう指示して、振込手続きを完了させます。


通常であれば、『振込』ボタンを押すと相手に送金されてしまう、と分かりますが、電話で次々と指示され、操作に誤りが無いようにプレッシャーをかけられることで冷静さを失い、犯人の言葉に従って忠実に操作してしまうのです。

5.出てきた明細書は破棄するよう指示する

「ATMから出てきた明細書は不要なので、破棄してください」

ターゲットが騙されて振り込んでしまった事実に気づくのを遅らせるため、犯人はATMから出てきた明細書を破棄するよう指示します。


ターゲットにATM操作を指示している段階で、別のATMには出し子と呼ばれる引き出し係が待機し、口座が凍結される前に即現金を引き出せるよう準備をしています。

つまり「還付金詐欺に遭ってしまった」と気づいたときには、すでに出し子によって現金が引き出されてしまっているのです。


なお、こうした振り込め詐欺に使用される銀行口座は、名義貸しを通じて違法に取得された口座であることが一般的です。

<関連記事>:名義貸しとは?ローン関係は絶対NG!

還付金詐欺では電話を掛ける「かけ子」、振り込まれたお金を引き出す「出し子」など、役割分担がされており、詐欺だと気付いた時にはお金を引き出されてしまっているケースも多くあります



還付金詐欺に遭わないために!やっておきたい対策とは?

還付金詐欺の手口はどんどん悪質化し、巧妙化しており、犯人はあの手この手を使ってターゲットを誘導します。

どんなに気を付けていても、いつ自分自身や身近な方がターゲットにされてしまうか分かりません。


そこで最後に還付金詐欺に遭わないため、知っておきたい対策について詳しく解説します。

ATMでお金が返ってくることはない

ATMでお金が返ってくることはない

何度も説明している通り、市区町村の自治体や年金事務所、税務署といった公的機関が電話でATMの操作を指示して、還付金を返金することは絶対にありません。

またATMにも、キャッシュカードを使用して還付金を受け取れるような機能はありません。


「還付金の手続きをするため、携帯電話を持ってATMへ行ってください」という電話がかかってきたら、還付金詐欺を疑いましょう。

即座に電話を切り、家族や警察に相談してください。

<外部の関連サイト>:還付金等詐欺 | ボウハン教室・警察庁

納め過ぎた所得税などの還付金は、確定申告をしてから、振込等によって受け取ります

電話は留守電に設定しておく

知らない番号からの電話は、安易に出ないようにするのも大事なことです。

犯人は録音され証拠が残ることを嫌うため、まずは留守電機能を設定しておくとよいでしょう。


また電話に出る前に相手の電話番号がディスプレイに表示される、電話番号表示サービス(ナンバーディスプレイ)などを契約しておくのも良策です。

携帯電話であれば、知らない番号に出ないようにするのはもちろん、非通知電話の着信拒否設定をしておくことをオススメします。


さらに最近では、「迷惑電話フィルターサービス」に対応した電話機も販売されています。

自分でできる対策に不安を感じる場合には、そのような防犯機能が充実した電話機を活用してみるのもよいでしょう。

<外部の関連サイト>:NTT|ナンバーディスプレイ ( ご案内 / 申込手続 )

相手の氏名や電話番号を聞き、一度確認する

犯人は、自治体などの公的機関の職員を装って電話をかけてきます。

そのため安心感があり、騙されやすくなってしまうのです。


まずは相手の氏名や所属部署、電話番号などをしっかりと聞き出し、一度電話を切った後で、それらの情報が正しいものかどうか、インターネット等を活用してしっかりと確認するようにしましょう。

少しでも怪しいと感じたら、すぐに家族や警察に相談するようにしてください。

還付金を振り込むといった電話があった場合、名乗ってきた税務署や市役所、年金事務所の番号を自分で調べ、直接電話をかけて確認するのも良いでしょう

ATMでの振込利用限度額を下げておく

犯人の手口はかなり悪質でどんどん巧妙化している傾向があるため、注意していても被害に遭ってしまう危険性があります。

そのためATMによる1日の利用上限額を、あらかじめ低く設定しておくことも良いです。


そうすれば万が一還付金詐欺に遭ってしまっても、被害を最小限に抑えることができます。

なお利用限度額は、最寄りのATMやインターネット上で設定できる場合があります。


詳細については、各金融機関のホームページ等で確認してください。

<外部の関連サイト>:ATMご利用限度額個別設定サービス | りそな銀行



以上、還付金詐欺の恐ろしい手口と被害に遭わないための対策について解説しました。

公的機関の職員になりすまし、言葉巧みにATMを操作させて現金を振り込ませるという一連の流れが還付金詐欺の主な手口です。


公的機関がATM操作を指示しながら、還付金の返還をすることは絶対にありません。

「手続きのために携帯電話を持ってATMへ」という指示があった場合には、還付金詐欺とみてほぼ間違いないでしょう。


なお還付金詐欺の手口は悪質化し、巧妙化しています。

留守電機能を活用する、ATMでの利用限度額を下げておくなど、事前に対策しておくとより安心です。


この記事のまとめ
  • 還付金詐欺とは、ATMからの口座間送金により現金を振り込ませる振り込め詐欺の一つ
  • 被害者の9割以上が60歳以上の高齢者で、性別では約7割が女性
  • 公的機関が、ATMから還付金を返済することは一切ない
  • 「携帯電話を持ってATMへ」と言われたら、還付金詐欺を疑うべき
  • 被害に遭わないために、留守電の活用・ATMの利用限度額を下げるなど事前に対策しておくことも重要


もぐお

この記事の執筆者: もぐお

元銀行員で、このサイトの責任者です。難しい金融の情報を分かりやすくお伝えできるよう、頑張ります!
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