みなし弁済規定とは?分かりやすく解説!

「みなし弁済」という規定をご存知でしょうか?

現在では撤廃されていますが、かつては、カードローン利用者を大いに苦しめた規定でした。

今回はみなし弁済規定の内容と、撤廃の理由について、分かりやすく解説します。



みなし弁済とは?

みなし弁済とは?

現在の貸金業法ができる以前の「貸金業規制法」で適用されていたのが、みなし弁済規定です。

みなし弁済規定について、具体的な内容を見ていきましょう。

みなし弁済ってどんな規定?

みなし弁済とは、一定の要件を満たす場合には、利息制限法の上限を超える利息の支払いがあっても、有効とみなす規定です。

現行の貸金業法では、利息制限法の上限金利を超える利息の支払いは、無効となります

しかし当時はみなし弁済の適用によって、利息制限法の上限金利を超えた高金利で、堂々と契約が結ばれていました。

<関連記事>:貸金業法とは?分かりやすく解説!

みなし弁済、適用の条件は5つ

みなし弁済の適用には、以下の5つの条件が必要となります。


1.貸主が、登録された貸金業者であること
貸主が、国や都道府県の貸金業登録を受けた貸金業者であり、ヤミ金ではないことが大前提です。


2.貸付時に契約書(17条書面)を交付すること
貸金業規制法17条に定められた書面(17条書面)を、貸付の際に貸主から借主へ交付することを指します。

書面の内容は、契約年月日や貸付金額、貸付利率などです。


3.借主が、納得して利息を支払っていること
借主が利息制限法を超えている部分についても、利息と認識して支払っている場合が当てはまります。


4.借主の任意で利息が支払われていること
借主が、貸主からの強制ではなく、自分の意思で利息を支払っていることが必要です。


5.弁済の度に受取証書(18条書面)を交付すること
貸主は、弁済を受ける度に借主に対して、貸金業規制法18条が定める書面を交付しなければなりません。


以上の条件をすべて満たせば、みなし弁済規定の適用が可能になります。

貸主に一方的に有利な規定ですし、5つの条件を全て満たすのは難しそうに見えます。

ですが借主の立場は、貸主に対して弱いのが普通です。不利な要求と分かっていても、断れない借主がほとんどでした。


みなし弁済とグレーゾーン金利

みなし弁済とグレーゾーン金利

みなし弁済は、グレーゾーン金利の問題と深い関係にあります。

ここでは、みなし弁済とグレーゾーン金利の関係を解説します。

グレーゾーン金利とは?

グレーゾーン金利

「グレーゾーン金利」とは、利息制限法に違反しつつも出資法の範囲内である、法的にグレーな金利のことです。

貸金業法の改正以前、利息制限法(上限金利15%~20%)と出資法(上限金利29.2%)には、上限金利のズレがありました。


また出資法に違反すると刑事罰の対象でしたが、利息制限法には罰則がありませんでした。

ここに目を付けた貸金業者は、利息制限法は超えながらも出資法の範囲内の金利を適用し、借主からより多くの利息を受け取っていたのです。

<関連記事>:利息制限法とは?その上限金利は?

みなし弁済が、多重債務の一因に

利息制限法を超えた金利は本来なら違法であるものの、みなし弁済を適用すれば「合法」というのが業界の当時の常識でした。

みなし弁済規定の存在によって、多くの貸金業者の間で、出資法の上限金利29.2%での貸付が当たり前に行われていました。


出資法の上限である29.2%を超える貸付をしなかったのは、上でも書いた通り、出資法に違反すると刑事罰の対象となったためです。

29.2%という高金利での貸付は借主にとって大きな負担となり、返済に行き詰まり多重債務に陥る原因になりました。


みなし弁済が廃止されるまで

みなし弁済が廃止されるまで

みなし弁済は、どのようにして廃止まで至ったのでしょうか。

みなし弁済が正式に撤廃されるまでの流れを見ていきます。

多重債務が社会問題化

これまで述べた通り、みなし弁済によって、借主の利益を守るために定められたはずの利息制限法は、骨抜きにされてしまいました。

経済的に圧迫された借主は、借金返済のために別の業者から更に借り入れをして、借金がどんどん膨れ上がっていく多重債務に陥っていきました。


この多重債務が社会問題として深刻化していく中で、みなし弁済を廃止すべきという動きが活発になったのです。

<関連記事>:多重債務者とは?借金解決の方法は?

最高裁判決、撤廃の決定打に

みなし弁済規定の廃止を決定づけたのは、2006年(平成18年)の最高裁判決です。

最高裁はみなし弁済の適用条件にある「任意性」を取り上げ、期限の利益喪失約款がある場合、借主は利息制限法の上限金利を超えていると分かっていても、払わなければ一括請求されると誤解してしまうので「任意」とは言えないと結論付けました。


貸金業者との契約には期限の利益喪失約款があるのが一般的であったため、この判決によって、ほぼ全ての契約でみなし弁済の適用が否定されました。

貸金業法の改正により、みなし弁済撤廃へ

この最高裁判決に後押しされる形で貸金業法が改正され、みなし弁済規定は2010年に正式に撤廃されました。

現在は、利息制限法の上限を超えた金利での契約はを行った貸金業者は、行政処分の対象となります。


また利息制限法と出資法がまとめて改正され、上限金利のズレによるグレーゾーン金利も解消されました。


こうした一連の流れにより、キャッシング利用者の金利は大きく下がりました。

一方でグレーゾーン金利の撤廃は貸金業者の経営を直撃しました。事業者の数は10分の1まで減り、現在に至っています。


この記事のまとめ

  • みなし弁済とは、一定の要件を満たせば利息制限法の上限を超える金利も有効とみなす制度
  • みなし弁済の適用条件は、「借主の任意で利息が支払われていること」など5つ
  • みなし弁済は、グレーゾーン金利の問題が拡大する一因となった
  • 多重債務の社会問題化を受けて、2006年に最高裁判決でみなし弁済が否定された
  • 2010年の貸金業法改正で、みなし弁済の撤廃が実現した

人気の消費者金融は?







検索
このサイトの執筆・監修をしています

初めまして。このサイトの管理人で、「もぐお」と言います。元銀行員で、このサイトの執筆・監修を行っています。


ランキング
その他の消費者金融