【元銀行員が解説】信販会社とは?

「信販会社」という単語を、聞いた事がある方もいるかと思います。

ですが具体的な内容まで知ってる方は、少ないのではないでしょうか?

ここでは、信販会社の事業内容・歴史を詳しく解説します。


信販会社って何?

信販会社とは

信販会社のことをよく知らない人は多いでしょうけど、実は知らずに取引してる場合も少なくありません。

ここでは、信販会社について簡単に見ていきます。

信販会社とは代金の立て替えなどする会社

信販会社とは、信用供与をする会社のことです。

信用供与とは、お金を貸したり(融資)、立て替えたり(ショッピングクレジット)、他からの借り入れを保証(与信保証)したりすることです。


ちなみに信販会社のように、預金の受け入れをせずに、融資業務を行う会社を「ノンバンク」と呼びます。

ノンバンクは信販会社のほかに、消費者金融とクレジットカード会社もあてはまります。

信販会社・消費者金融・クレジットカード会社の3つをまとめて、「3大ノンバンク」と呼ぶ時もあります。

<関連記事>ノンバンクとは?銀行と何が違うの?

信販会社の4つの業務内容

「信販会社は信用供与を行う会社」と先ほど説明しましたけど、さすがに分かりづらいですよね。

信販会社の仕事内容を、具体的に説明します。


・個別信用購入あっせん
信販会社,個別信用購入あっせん

利用者が高額な商品・サービス、たとえば住宅リフォームやエステ・英会話教室と契約を結びたいとします。

でも、利用者にそれだけのお金がありません。


そんな時に、加盟店(商品・サービスを提供する会社)は提携する信販会社に、代金を立て替えてもらい、利用者はすぐに購入できます

その代り、利用者は毎月の分割払いで信販会社に返済します。

これが、個別信用あっせん(あっ旋)です。


・融資業務
信販会社,融資業務

利用者が特定のサービス・商品を購入するために、信販会社がお金を貸します。

信販会社で多いのが、オートローン(自動車購入代金の貸付)や、学費ローンです。

また、後で述べるクレジットカードのキャッシング収益も、融資業務に含まれます。


・クレジットカード事業(包括信用購入あっせん)
信販会社もクレジットカードを発行しています。これも信販会社のメイン事業の一つです。

収益としては、利用者のリボ払いによる手数料収入や、毎年の会員費、加盟店からの手数料です。


信販会社が発行するクレジットカードは2タイプあります。

一つは、家電量販店などと提携して発行するクレジットカード(「提携カード」と言います)です。

もう一つは信販会社の自社ブランドで、クレジットカードを発行するタイプ(「プロパーカード」と言います)です。


・保証業務
信販会社,保証業務

銀行は個人客向けに、フリーローンやマイカーローン・教育ローンなど、融資商品を提供しています。

こうした銀行の個人向けローンに信販会社が保証を付けて、万一、返済されなかった場合に、信販会社が代わりに返済します(これを「弁済」と言います)。

その代り、信販会社は銀行から保険料を受け取れます。

これが保証業務で、信販会社としても伸び代の大きいビジネスの一つです。

<関連記事>代位弁済とは?

クレジットカード会社と何が違う?

信販会社もクレジットカードを発行していて、「クレジットカード会社と何が違うの?」と思った人もいるかもしれません。

実はクレジットカードは多用な業種・企業で発行していて、信販会社もその一つに過ぎません

ざっと挙げると、百貨店系、銀行系、流通系、量販店、信販会社などです。


<外部の関連サイト>:特定サービス産業実態調査報告書 – 経済産業省

消費者金融と何が違う?

消費者金融とは、一般利用者向けの小口融資を行う会社を指します。

利用者向けの貸付を行う点では信販会社と同じですが、消費者金融の場合、カードローン形式で貸付けを行います


一方で信販会社は、「証書貸付」と呼ばれる形式の貸付です

カードローン形式の場合、利用者はカードローン枠を設定すると、その範囲内でなら何度でも借り入れができます。


信販会社(の証書貸付)の場合、最初にまとまった金額を借り入れして、毎月決まった額を返済していきます。再度の借り入れは、できません。

また信販会社は代金の立て替え(=個別信用購入あっせん)業務を得意としますが、消費者金融でそうした仕事はほぼしていません。

<関連記事>【元銀行員が解説】消費者金融とは?サラ金・ヤミ金との違いは?



信販会社の歴史を大まかにまとめた

信販会社,歴史

ここでは、信販会社(業界)の歴史を大まかに振り返ってみたいと思います。

信販会社が誕生したのは戦後ですが、信販事業(月賦)そのものは戦前から存在しました。

代金立て替え(月賦・割賦)の会社としてスタート

今では当たり前の購入代金の立て替えは、昔は貴重な存在でした。

丸井などの月賦百貨店のほか、一部メーカーが月賦販売(=分割払いで利用者が購入)をやる程度でした。


専業としての月賦(割賦)会社は、1951年の日本信用販売(旧「日本信販」、現在の三菱UFJニコス)が最初です。

これが最初の信販会社と言われています。


当時は百貨店の利用客向けにクーポンを発行する形の割賦販売で、これが大盛況となります。

ところが各業界からの非難を受け、旧通産省は信販会社の営業を規制する通達(「昭和34年通達」)を出しました。

これにより一時、信販業界は大幅な縮小を経験しました。

「ショッピングクレジット」で広く普及

1963年、日本信販はお店が購入者に割賦販売した債権を買い取り、購入者から分割払いを受ける仕組みを開発しました。

この仕組みを、「ショッピングクレジット」と言います

これにより信販業界よる代金立て替えビジネスは、大きく成長することになります。


一つは、すぐに購入したいけど代金の持ち合わせがない、一般消費者のニーズを掴んだことです。

さらに、過去の月賦販売だと大規模な小売店しか導入できず、中小の小売店は利用できませんでした。

ですが、このショッピングクレジットにより、中小売店の利用客も分割払いで購入できるようになり、中小の小売店からも広く支持されました。

イケイケで業績拡大するも、バブル崩壊が直撃

日本信販の好調を見て、大手他社からも参入が相次ぎます。

それでも、1980年代の日本経済の好調も手伝って、業界は伸び続けます。


さらに業績を後押ししたのは、銀行からの紹介でした。

銀行では貸出できないリスクの先に対しても、信販会社は進んで融資を行いました。


日本経済が好調なときは、これでもイケイケでした。

ですがバブルが崩壊すると、こうしたリスクの高い融資が不良債権の山となりました。

以後、信販業界はこの不良債権の処理に苦しむことになります(銀行業界と同じですね)。

グレーゾーン金利NGで、ノンバンクに激震

何とか立て直しつつあった信販業界(というより、ノンバンク全体)に、2006年に激震が走ります。

2006年1月に最高裁で出た、「グレーゾーン金利」違法の判決です


簡単に言うと、法的にあいまいな高めの金利設定が、国によって明確に否定された形となったのです。

今後の利息収入が減るだけでなく、過去に受け取った利息収入の一部も返還する必要があり、信販会社としてもダブルパンチでした。


こうして信販会社は業務の大幅な縮小を、迫られることになります。

業界最大手だった日本信販は2007年4月、三菱UFJグループの完全子会社となり、信販事業から完全撤退しました。

<関連記事>:利息制限法とは?その上限金利は?

改正割販法で業界はさらに苦境に

グレーゾーン金利のダメージをモロに受けた信販業界は、2009年に、さらなる逆風に襲われることになります

割賦販売法および特定商取引法の改正です。


詳細は関連サイトでご覧頂きたいのですが、信販会社は加盟店の管理強化を義務付けられるようになりました。

これは管理コストの上昇と、収益低下を招き、信販会社の経営をさらに苦しいものにしました。

<外部の関連サイト>:早わかり改正割賦販売法(METI/経済産業省)


以上、見てきた通り、バブル期まで好調だった信販事業は、バブル崩壊を経て、事業環境は悪化の一途をたどっているのが実情です。



信販会社業界のいま

上では、信販業界の歴史を簡単に紹介しました。

では、信販業界の現在がどうなっているか、以下で簡単に紹介します。

信販会社の大手4社を紹介します

・オリエントコーポレーション(上場会社)

オリエントコーポレーション
信販会社の最大手です

以前は2番手でしたが、日本信販が信販事業から完全に撤退したことで、信販業界No.1になりました。

信販事業の中では、オートローン事業で競合他社に較べて大きな強みがあります。

<会社サイト>https://www.orico.co.jp



・セディナ(SMBCグループ)

セディナ
オーエムシーカード(OMC)、セントラルファイナンス(CF)、クオークの3社が合併して、2009年4月に誕生した会社です。

存続会社は三井住友フィナンシャルグループの傘下にあったオーエムシーカードで、合併時に社名も変更しました。

当初は上場会社であったものの、グレーゾーン金利撤廃による過払い金請求により経営が悪化し、2011年5月にSMBCグループの完全子会社となりました。

<会社サイト>https://www.cedyna.co.jp



・ジャックス(上場会社)

セディナ
北海道で創業した、信販・クレジットカード会社です。

テレビCMを見た方も多いと思います。


三菱東京UFJ銀行が20%の株式を保有して、持分法適用関連会社ではありますが、三菱UFJフィナンシャルグループとは一定の距離を置いています。

堅実な経営で定評があります。

<会社サイト>http://www.jaccs.co.jp



・アプラス(上場会社、新生銀行グループ)

アプラス
元は旧日本信販が分社化して、大阪で創業した会社です。1992年にアプラスに社名を変更しました。

2004年までは三和グループでしたが、2004年9月に新生銀行に買収されグループ会社となりました。

今も、新生銀行グループでノンバンクビジネスの中核を担っています。

<会社サイト>https://www.aplus.co.jp

オートローンとクレジットカードが主力事業

先ほど、信販会社の事業内容を紹介しました。

その中で特に稼いでいるのは、どんな事業でしょうか?

2018年3月期のオリエントコーポレーションの決算内容を見ながら、具体的に説明します。

オリエントコーポレーションの決算内容

主力は上の表にもある通り、オートローンとカード事業です。

次に大きいのが、クレジットカードのリボ払い収益です。


個品割賦のショッピングとは、先の4事業で言うと「個別信用あっせん」になります。

大体、どの信販会社も似たような事業構成になっています。

反社取引で、金融業界を揺るがす事件に発展

業界大手のオリエントコーポレーション(オリコ)は、みずほ銀行と組んで、提携ローン(キャプティローン)と呼ばれる商品を提供していました。

一般利用者への融資はみずほ銀行が行いますが、その保証をオリコが行い、また審査もオリコが行っていました。


ところがオリコの審査が甘かったこともあり、暴力団員への融資を大量に行っていたことが後に判明しました。

2010年の時点でみずほ銀行は問題を把握していたものの、キチンと対策を講じることがなく、2012年の金融庁検査で発覚することになりました。


この件は2013年9月に週刊誌で報道され、広く知れ渡ることになりました。

オリコは審査体制の強化策を出しましたが、信販業界として審査体制の不備を浮き彫りにする事件となりました。

<外部の関連サイト>:みずほ銀行暴力団融資事件

業界は逆風!各社とも生き残りに必死

上でも見てきた通り、信販業界は今後も厳しい状況が続くと思われます。

オートローンやクレジットカード事業は今後も収益の柱になるでしょうが、各社とも将来を見据えた対策を行っています。


まず、信販事業として今後の伸びが期待できそうなのが、保証事業です。

ここで言う保証事業とは、銀行融資の保証や、家賃保証です。各社とも力を入れている分野です。


個別に見ていくと、ジャックスは海外事業(特に東南アジア)の強化を急いでいるようです。

オリコは、次世代システムへの大幅投資を行うことを、2018年3月決算で公表しています。



以上で、信販会社について見てきました。

クレジットカード会社と同列で説明されることが多いですが、クレジットカード以外にも多種の事業を手かげていることは上で説明した通りです。


もし今後、オートローンなどの申し込みを検討することがあったら、申し込み会社もチェックしましょう。

もしかしたら、それが信販会社かもしれませんから。


この記事のまとめ

  • 信販会社とは信用供与を行う会社のこと
  • 信販会社の事業は、個別信用あっせん、クレジットカードなど4つの事業がメイン
  • 信販業界は戦後すぐに始まり、バブルまで大きく事業を伸ばしたが、バブル崩壊で大打撃を受ける
  • グレーゾーン金利の撤廃・改正割販法などで、信販業界は苦境が続いている
  • 信販会社の大手は、オリコ・ジャックス・セディナ・アプラスの4社
  • 信販会社として収益が大きいのは、オートローンとカード事業

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