代位弁済とは?元銀行員が分かりやすく解説!

「代位弁済」という言葉をご存知ですか?

例えばカードローンの返済が出来なくなった時、利用者に代わって保証会社が一括で返済してくれます。これが代位弁済です。


「代わりに返済してくれて助かる!」と思うかもしれませんが、実は代位弁済には大きなデメリットもあります。

今回は代位弁済について、詳しく解説します。


代位弁済とは?分かりやすく教えて!

代位弁済って、そもそも何?

代位弁済とは

「代位弁済」とは、債務者以外の第三者が、債務者に代わって債務を返済することをいいます。

といっても代位弁済のおかげで、債務者の債務がチャラになる訳ではありません。

代位弁済した人は、元債権者が債務者に対して持っていた権利を、行使することができます(民法501条)。

民法501条
前二条の規定により債権者に代位した者は、自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。この場合においては、次の各号の定めるところに従わなければならない。


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代位弁済を具体例で解説!

代位弁済がどんなものか、具体例で見ていきましょう。

たとえば消費者金融で借入をして、返済できなくなった場合です。


Aさん(=債務者)が消費者金融のB社(=債権者)から借入をしたとします。

Aさんは毎月B社に返済をする必要があります。


しかし何らかの理由で返済できなくなった場合、B社と契約している保証会社C社(=第三者)がAさんに代わって返済(=弁済)をします。

つまり債務者以外の第三者(=C社)が、債務者(=Aさん)の代わりに債務を履行します。


とはいえAさんの借金が消える訳ではなく、B社に代わってC社が債権者になります。

これが代位弁済です。

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立て替えたものを返す(返してもらう)と考えると、分かりやすいですね。

代位弁済は保証会社が行うことが多い

実際に代位弁済を行うことが多いのは、先ほどの例にも出てきた保証会社です。


金融機関などは貸し倒れのリスクを防ぐため、保証料を払って、あらかじめ保証会社と契約しています。

たとえば利用者が滞納した場合でも、保証会社が代わりに支払ってくれるので、金融機関が損をすることはありません。


保証会社のほかに、個人が代位弁済を行うケースもあります。

仮に友人Aさんが借金するにあたって、あなたに保証人になるようお願いされたとします。


友人Aさんは、誰かからお金を借りたものの、途中で返済に行き詰ります。

お金を貸した人は、保証人(=あなた)に代わりに返済を迫ります。


保証人(=あなた)が友人Aの代わりに返済を行うことが、代位弁済にあたります。

もちろん、あなたは友人Aに立て替えた借金分の返済を、迫る権利があります(=求償権)。

<関連記事>:保証人と連帯保証人の違いは?保証人になることのリスクは?

保証会社が代位弁済を実行するときの流れ

ここでは、保証会社が代位弁済を実行する流れについて見ていきます。


<1.義務の不履行(=返済遅れ)、催促>
期日になっても返済をしないなど、債務者が義務を果たさない状態です。

返済期日から1週間たっても返済がない場合、債権者から債務者へ催促をします。


<2.第三者が代位弁済を実行>
返済期日から2か月経っても返済がない場合、債権者は第三者(=保証会社)に代位弁済を要求します。

これを受けて保証会社(=第三者)が、債務者に代わって債務を履行(=弁済)します。

それによって債権者が、金融機関から弁済者(=第三者)に変わります(より厳密に言うと、弁済者は債務者に対して求償権を持つことになります)。


<3.弁済者から債務者へ請求(求償権の行使)>
弁済者は債務者に対し、肩代わりした金銭や物品の請求をします。


<4.債務者から弁済者へ返済>
債務者はもとの債権者ではなく、代位弁済後の債権者(=弁済者)に対して返済を行います。

代位弁済で、債務者の債務はなくならない

代位弁済で、債務者の債務はなくならない

先ほど説明した通り、第三者が代わりに弁済しても、債務者の債務がなくなるわけではありません。

代位弁済が行われると債権が債権者から弁済者に移り、今度は弁済者が債権者になります。(民法500条)


あなたの借金が保証会社によって代位弁済された場合、今後は保証会社から請求を受けることになりますので、その点はご注意ください。

<関連記事>:消費者金融で返済できない場合どこに相談すれば良い?

債務者にとっては返済する相手が変わるだけでなく、様々なデメリットも伴います。



代位弁済が行われると債務者はどうなる?

代位弁済が行われた場合、債務者にはどんなデメリットがあるのでしょうか?

ここでもカードローンの借入を例に考えていきます。

一括返済を求められる

代位弁済後に保証会社から一括弁済を求められる

代位弁済により保証会社が債権者になると、一括返済を要求されます。

そもそもカードローン利用者は、金融機関とは毎月返済の契約をしていますが、保証会社と分割返済についての契約をしておりません。


このため、保証会社からは一括返済の請求を受けることが一般的です。

とはいえ代位弁済になる債務者は、返済能力に乏しい人がほとんどです。

そして、そのことは保証会社もよく承知しています。


ですので保証会社との交渉次第では、返済期間を以前よりも伸ばしてもらったり、債務の一部を減額してもらうことも可能です。

なお保証会社への債務に対しては、利息は発生しません。

<関連記事>:消費者金融の一括返済で絶対気を付けたい5つのポイント

返済が難しいと感じたら、できるだけ早く金融機関へ相談しましょう。

遅延損害金を請求される場合あり

利息は発生しませんが、代位弁済後の債権に対して遅延損害金が発生する場合があります。

たとえば信用保証協会では、代位弁済の額に加え、年14.6%の遅延損害金を請求されます。


ただしこれは、保証会社の回収方針によって違います。

詳しくは保証会社に問い合わせてみてください。

<関連記事>:遅延損害金とは?元銀行員が分かりやすく解説!

遅延損害金の金利は15~20%程度と高く設定されているため、一括返済できないと更に返済額が増えてしまいます。

法的な手続きを取られる(給与の差し押さえなど)

一括返済ができず、適切な対応も取らなかった場合、最終的に保証会社によって法的な手続きを取られる可能性もあります。


たとえば債務者の給与を差し押さえるケースです。

最大で給与の4分の1を差し押さえることができます。(民事執行法152条)


給与を差し押さえる場合、裁判所を通じて勤務先に通知が来ます。

そのため勤務先にも、借金のことを知られてしまいます。

民事執行法152条
次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
一  債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
二  給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権


事故情報として登録される

与信取引に関する情報は、信用情報機関に全て記録されています。

代位弁済が行われると、情報機関に事故情報として登録されます。


代位弁済の場合、5年は記録が残ります。

事故情報が登録されている間、貸金業者や銀行などでの与信取引は一切できません。

<関連記事>:【元銀行員が解説】金融事故情報(ブラックリスト)とは?

新規の借り入れはもちろん、スマホの割賦販売なども利用できなくなります。



実際に代位弁済が行われたら、どうすればいい?

まずは一度、弁護士に相談

代位弁済されたら弁護士に相談

代位弁済が行われたあと、保証会社から一括返済を請求されます。

借入元金に利息と遅延損害金も加わり、債務の合計が返済できない額になっている場合もあります。


そうなると債務者が、自力で返済するのは厳しいでしょう。

こうした場合、弁護士などの法律の専門家に相談することをオススメします。


相談した結果、自力での返済はやはり難しいという結論になるかもしれません。

その場合、債務整理も視野に入れた方がいいかもしれません。


債務整理の種類にもよりますが、債務の一部を減額した上で、分割返済に応じてもらえる場合もあります。

こうした債務整理は自力で行うのは難しいので、専門家の力を借りてスムーズに進めましょう。

無料で相談を受け付けている法律事務所もあります。近くにないか、探してみましょう。

場合によっては債務の減額交渉ができるかも

通常、債権の回収は債権者が行います。

しかし債権の回収が難しい・時間がないといった場合には、債権者が債権を他人に譲渡している場合があります。


そうした債権を扱い回収しているのが、債権回収会社(サービサー)と呼ばれる人たちです。

債権回収会社は金融機関などから安く債権を買い取っている場合があり、交渉次第では大幅に減額できるかもしれません。

こちらの方法が使えるのは、債務者が法人の場合だけです。


しかし個人の場合でも、弁護士に相手方との交渉を依頼することができます。

交渉次第で代位弁済後に生じた遅延損害金をカットしたり、一括返済ではなく3~5年の分割返済にしてもらえる可能性があります。

詳しくは弁護士に相談してみましょう。

<関連記事>:債権回収会社とは?借金の回収・取り立て代行の仕組み


以上、代位弁済について解説してきました。

債務を履行できない時、債務者に代わって第三者がその債務を履行してくれます。


しかし代位弁済が行われると、債務者には大きな負担がかかります。

代位弁済が行われる前に、きちんと債権者に対する義務を果たしましょう。

この記事のまとめ

  • 代位弁済とは、第三者が債務者に代わって返済をすること
  • 代位弁済によって債務者の義務がなくなるわけではない
  • 第三者が肩代わりした分については、代位弁済後に一括返済を求められる
  • 代位弁済が行われると、事故情報として信用機関に登録される
  • 一括返済ができない場合は、まず弁護士などに相談してみる

もぐお

この記事の執筆者: もぐお

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